パフォーマンスアップとボディメイクの違い

スポーツパフォーマンス向上とボディメイクの筋トレの違い

筋力トレーニングには、①「スポーツパフォーマンス向上」と②「ボディメイク(筋肥大・体づくり)」の2つの目的があります。それぞれの目的に応じて、トレーニングの方法や重点を置くポイントが異なります。

また、スポーツではシーズン中とオフシーズンでトレーニングの目的や方法が変わるため、時期に応じた適切なアプローチが必要です。さらに、スポーツ選手が筋肉量を増やすための両足トレーニングの重要性や、競技ごとのトレーニングアプローチ(オープンスキルとクローズドスキルの違い)、そして「動作単位でトレーニングを行うスポーツパフォーマンス向上の筋トレ」と「筋肉を意識して鍛えるボディメイクの筋トレ」の違いについても解説します。

1️⃣ スポーツパフォーマンス向上のための筋トレ

目的

スポーツでの動作をスムーズに行い、競技パフォーマンスを向上させることが目的です。単に筋肉を大きくするのではなく、競技で活かせる機能的な筋力を高めることが求められます。

動作単位でトレーニングする

✅ 全身の連動性を重視

競技中の動作(ジャンプ・ダッシュ・方向転換・押し合いなど)を向上させるため、スクワット・デッドリフト・クリーンなどの多関節運動(コンパウンドリフト)を中心に行う。

✅ 「動作」を鍛えるため、個々の筋肉ではなく運動パターンを強化

例:「速く走る」ためのスクワット、「力強く跳ぶ」ためのデッドリフト

✅ 筋力・パワー・スピード・バランスを統合的に鍛える

神経系を刺激する爆発的なトレーニング(プライオメトリクス、クリーン&ジャークなど)を重視

シーズン中とオフシーズンでの違い

• シーズン中(インシーズン)

• 競技のパフォーマンスを維持し、疲労を最小限に抑える。

• 高重量トレーニングを減らし、維持目的の中重量・中回数のトレーニングが中心。

• ケガ予防とリカバリーを重視したトレーニングを実施。

• オフシーズン(プレシーズン)

• 筋力・筋量・パワーを最大化し、シーズン中のパフォーマンス向上を目指す。

• 高重量・低回数のトレーニングで筋力向上を図る。

• 爆発的な動作(プライオメトリクスやクリーン&スナッチ)を取り入れる。

2️⃣ ボディメイクのための筋トレ ✨

目的

ボディメイクでは、筋肉を大きくし、身体のシルエットを整えることが主な目的です。スポーツパフォーマンスとは異なり、見た目の改善に重点を置きます。

筋肉を意識して鍛える

✅ ターゲット筋をしっかり意識する

筋肉を発達させるため、ダンベルフライ・アームカール・レッグエクステンションなどの単関節運動(アイソレーション種目)を活用。

筋肉を意識しながら動作を行うことが重要!

✅ 中重量・高回数で筋肉を刺激

8〜12回前後の中重量トレーニングが最適!

使用重量よりも、「筋肉にしっかり負荷をかけること」を優先。

✅ パンプアップを意識

筋繊維の修復と成長を促進するため、ドロップセットやスーパーセットを活用

パンプ感(筋肉の張り)を重視してトレーニング!

3️⃣ スポーツ選手の筋肉量を増やすための両足トレーニングの重要性

✅ 大きな重量を扱えるため、筋肥大に適している

✅ 全身の筋力向上につながる

✅ 基礎的な筋力を高め、競技動作の安定性を向上させる

4️⃣ オープンスキルとクローズドスキルの違い

オープンスキル(野球・サッカー・バスケ・ラグビーなど)

✅ 反応速度・敏捷性・予測能力を高めるトレーニングが重要!

✅ スプリントドリル(短距離ダッシュ・加速走) → 瞬発力を向上

✅ アジリティトレーニング(ラダー・サイドステップ) → 方向転換能力を向上

クローズドスキル(陸上・体操・水泳・ウェイトリフティングなど)

✅ 決まったフォームで最大のパワーを発揮するトレーニングを重視!

✅ スクワット・デッドリフト → 最大筋力と筋肥大を促す

✅ プライオメトリクス(ボックスジャンプ・バウンディング) → 地面反発の向上

5️⃣ まとめ

◎スポーツパフォーマンス向上には、動作単位のトレーニングが必要!

◎ボディメイクでは、筋肉を意識したトレーニングが重要!

◎オフシーズンは筋力強化、シーズン中は維持を意識!

◎競技の特性に応じたトレーニングが必要!

◎「動作を強くする」スポーツパフォーマンスの筋トレと、「筋肉を育てる」ボディメイクの筋トレは異なる。目的に応じた正しいアプローチを!

スポーツパフォーマンス向上とボディメイクの筋トレに関する一問一答クイズ

クイズ(全10問)

1️⃣ スポーツパフォーマンス向上の筋トレでは、主に何を鍛えることを目的とする?

A. 競技での動作を強化し、実際のプレーに活かせる筋力や瞬発力を向上させる。

2️⃣ ボディメイクの筋トレでは、何を重視する?

A. 筋肉の成長(筋肥大)と身体のシルエットを整えること。見た目の美しさを重視する。

3️⃣ スポーツパフォーマンス向上の筋トレで多用される「コンパウンドリフト」とは?

A. スクワット、デッドリフト、クリーンなど、複数の関節を同時に動かす多関節運動。全身の連動性を高める。

4️⃣ ボディメイクのトレーニングでよく使われる「アイソレーション種目」の例は?

A. アームカール、レッグエクステンション、ダンベルフライなど、単一の筋肉に集中した負荷をかける種目。

5️⃣ スポーツ選手がシーズン中に行う筋トレの目的は?

A. 競技パフォーマンスの維持とケガの予防。過度な疲労を避けながら筋力と体の安定性を保つ。

6️⃣ オフシーズン(プレシーズン)の筋トレでは、どのようなトレーニングが推奨される?

A. 最大筋力やパワーを向上させるための高重量トレーニング。筋肉量を増やし、シーズンに備える。

7️⃣ オープンスキルのスポーツ(例:サッカー・バスケ)に適したトレーニングは?

A. 予測不能な動きに対応できるよう、反応速度や敏捷性を鍛えるアジリティドリルやスプリントトレーニングを取り入れる。

8️⃣ クローズドスキルのスポーツ(例:陸上・ウェイトリフティング)で重要な要素は?

A. 正確なフォームを習得し、最大筋力やパワーを発揮できるようにすること。

9️⃣ スポーツパフォーマンス向上のためのトレーニングでは、筋肉単位ではなく何を鍛える?

A. 競技動作を向上させるため、動作単位(走る・跳ぶ・投げるなど)でトレーニングを行う。

⑩ボディメイクのトレーニングで重視される「パンプアップ」とは何か?

A. 血流を増やし、筋肉を一時的に膨らませることで、筋肥大を促進する現象。高回数・中重量のトレーニングで狙うことが多い。

トレーニングの目的に応じた正しい知識を持ち、効果的に実践しましょう!