低重量・高回数のトレーニング

軽重量・高回数トレーニングで筋肉を鍛える

【化学的刺激の力】

6月7日は背中(上背部)の低重量・高回数のトレーニングを行いました。

筋肉を効果的に鍛えるための方法として、20RM〜30RMの軽重量・高回数のトレーニングを3〜5セット行うことがあります。このトレーニング方法は、筋肉に化学的な刺激を与えることで、その成長を促進します。

化学的刺激とは?

化学的刺激とは、トレーニングによって筋細胞の内部環境が通常とは異なる状態になることを指します。具体的には、以下のような変化が起こります。

pHの変化→通常中性の筋細胞のpHが酸性に傾く。

酸素濃度の低下→筋細胞内の酸素濃度が普段よりも低くなる。

これらの変化は、筋肉に対して新たな適応を促すシグナルとして作用します。酸性環境下では乳酸が蓄積し、それが筋肉の成長を促進する因子となります。また、酸素が不足すると、筋肉は酸素を効率的に利用するための適応を行い、結果として筋持久力が向上します。

【軽重量・高回数トレーニングのメリット】

①安全性

軽い重量を使用するため、関節や腱への負担が少なく、怪我のリスクが低い。

②筋持久力の向上

高回数の反復運動により、筋肉の持久力が強化される。

③代謝の活性化

化学的刺激によって筋肉の代謝が活性化し、より多くのエネルギーを消費する。

【研究が示す効果】

低負荷・高回数のトレーニングでも、筋肉は十分に発達します。どのような重量を扱っても、疲労困憊まで回数やセット数を増やすことで、筋肥大効果を最大化できるのです。特に50歳以上の方にとっては、高重量トレーニングよりも健康的な選択肢となるでしょう。

高重量トレーニングは、高血圧や心血管系のリスクがある人にとって危険な場合があります。心不全や脳血管障害などのリスクが増大する可能性があるため、健康を維持するためにトレーニングしている人は逆効果になる恐れがあります。

また、高重量トレーニングは関節や筋肉に負担をかけ、怪我のリスクが高まります。20代から40代の方は高重量を扱っても正しいフォームで行えば問題ないことが多いですが、関節は消耗品です。年齢を重ねると怪我のリスクが高まり、一度痛めると元に戻らないことも多いです。

《まとめ》

軽重量・高回数のトレーニングは、筋肉に化学的な刺激を与えることで、その成長と適応を促進する効果的な方法です。pHの変化や酸素濃度の低下といった内部環境の変化は、筋肉にとって新たな刺激となり、これが持久力や筋肉の発達に繋がります。安全性が高く、特に健康を目的とする方には、軽重量から中重量でのトレーニングが効果的です。

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