インピーダンス法で測る体脂肪率の真実:正確さと注意点
皆さん、体脂肪率が気になっていませんか?体脂肪率は健康管理において重要な指標の一つですが、多くの方が家庭で使っている体脂肪計の測定方法について理解しているでしょうか?
ほとんどの体脂肪計は「インピーダンス法」(生体電気インピーダンス法、BIA法)という方法を使用しています。この方法は、体脂肪が電気を通しにくい一方で、筋肉や水分を含む他の組織は電気を通しやすいという性質を利用して、体内の電気抵抗を測定し、体脂肪率を推定するものです。非常に手軽に体脂肪率を測定できるため、多くの人が利用しています。
しかし、インピーダンス法にはいくつかの注意点があります。測定結果は、体内の水分量や室内の湿度、さらには測定時の姿勢によっても変動するため、必ずしも正確な数値を示すわけではありません。例えば、私自身がCTスキャンで体脂肪率5%と診断された一方で、インピーダンス法の体脂肪計では30%と表示されたことがありました。このような経験からもわかるように、インピーダンス法での測定はあくまで「目安」として考えるべきです。
体脂肪率を低く見せる「裏技」も存在
実は、インピーダンス法では体脂肪率を一時的に低く見せる方法も存在します。体内の水分量が増えると、電気を通しやすくなり、結果的に体脂肪率が低く表示されるのです。そのため、クレアチンローディング(クレアチンを一定期間大量に摂取する方法)を行い、低負荷高回数のトレーニングで筋肉をパンプアップさせ、水を大量に摂取することで、体脂肪率を下げることができます。さらに、測定時に濡れた足で膝をくっつけて測ると、電流が流れる距離が短くなり、電気抵抗が減ってさらに低い体脂肪率が表示される場合もあります。
インピーダンス法の測定を有効に活用するコツ
このように、インピーダンス法で測定される体脂肪率は、体内の水分量や測定条件に大きく左右されるため、正確な数値を得るのは難しいです。しかし、日々の体脂肪の変化を追跡するための「参考」としては有用です。重要なのは、毎日同じ条件で測定を行うことです。例えば、同じ時間帯に、同じ水分摂取量や食事の状態で測定することで、比較的一貫した結果を得られます。
体脂肪率は健康の一つの指標ですが、それだけで判断せず、他の健康状態や運動習慣、食事内容などと合わせて総合的に考えることが大切です。
小濱裕司