ランニングシューズの厚底モデルはすっかり一般的になり、最近ではデザインもスタイリッシュで子どもたちの目にも魅力的に映ります。
筋力のある大人にとってはパフォーマンス向上につながる場面もあり、実際に主人も数年前にナイキの厚底を履き始めて「走りやすい」と感じ、今でも愛用しています。
しかし、その構造が小学生にも同じように適しているか というと話は別です。
我が家の次男が 厚底シューズを履いてロードレースを走ったことで、改めて気づかされたことがありました。
■ 周りの友達が履き始め、次男も「欲しい」
友達が厚底を履き始めると、次男も影響されて「自分も履きたい」と言い出しました。
私も主人も理由を説明して反対しましたが、次男は見た目を重視するタイプ。
サッカーでも“流行りのスパイク”を履きたがり、小学生には合わないモデルを履いたことで、今年2月に足首の靭帯を部分断裂しました。
次男はもともとハイアーチで、より慎重なシューズ選びが必要なタイプ。
それでも本人は厚底への憧れが強く、気持ちを抑えきれなかったようです。
■ 厚底を履いて走ってみると…微妙な変化が
筋力のある大人が履くと心地よく反発を得られる厚底シューズ。
しかし次男が厚底で走った様子を見ると、普段とは違う点がいくつかありました。
・以前よりつまずきやすい
・バランスが取りづらそう
・接地感が薄く、走りのリズムが変わる
「今すぐ困るレベルではないけれど、積み重なると走り方に影響しそうだな」という印象でした。
さらに走るときだけでなく、普段履きとしても使い始めてしまい、身体の使い方が不安定になる場面も見られました。
■ 今年のロードレースは最後尾からスタート
次男は小学校1〜5年生までロードレースで毎年入賞してきました。
ただ、小学6年生の今年は
・試走の日が中学校の入試と重なり不参加
・試走に出ていないため、本番は 欠席扱いで最後尾スタート
本番の並び順は試走の順位で決まるため、実力とは関係なく 一番後ろ から走り出すことになってしまいました。
さらに厚底特有の、
・いつものリズムが取りにくい
・地面を感じにくくスピード調整が難しい
・カーブで少しふらつく
こうした難しさが重なり、結果として初めて入賞を逃す形になりました。
■ 長男は一般的なシューズで3位入賞
対照的だったのが長男です。
長男は小学校6年間すべて入賞し、中学校のマラソン記録会でも 3位入賞。
履いていたのは学校指定の一般的なランニングシューズ。
特別軽い素材でも高反発でもなく、いわゆる“普通のシューズ”です。
長男はシューズの見た目にこだわりがなく、兄弟でここまで違うのかと驚かされます。
■ 小学生に厚底が難しい理由
小学生の足はまだ発達の途中で、
・足裏の筋力
・アーチの形成
・体幹の安定
これらが大人ほど十分ではありません。
その状態で厚底を履くと、
・地面を感じにくい
・重心が高くなる
・柔らかいクッションに身体が負ける
・反発を使いきれずバランスが取りづらい
こうした問題が起こりやすく、走りのリズムが乱れやすくなります。
次男の変化は、まさにこれに当てはまっていました。
■ 小学生の靴選びで大切にしたいこと
大切なのは、厚底を否定することではありません。
「今の身体に合っているか」
この一点です。
小学生に向いている靴は、
・接地感のあるもの
・かかとの安定性が高いもの
・足幅に合ったもの(子どもは幅広が多い)
・扱いやすく重さのバランスが良いもの
・厚底のようにクセの強い構造ではないもの
このようなタイプです。
特に 反発力より“安定性”が最優先 で、ケガの予防にもつながります。
■ 最後に
ロードレースが終わると、次男は厚底を履かなくなりました。
下駄箱にそっと置かれたシューズを見て、
「あれだけ憧れていたのに、次男なりに何か気づいたのかな」
と思いながらブログ用に写真をパシャリ✨
子どもの成長は、靴ひとつにも学びが詰まっています。
今回の経験は、次男にとっても、そして親にとっても大きな気づきとなりました。

