歴史を動かした3人――大谷翔平・山本由伸・佐々木朗希、世界を驚かせた一日

ワールドシリーズ第7戦をテレビで拝見しながら、胸が熱くなりました。
ドジャースはブルージェイズとの激闘を制し、5対4で劇的な逆転勝利。1998〜2000年のヤンキース以来、実に25年ぶりとなるワールドシリーズ連覇を成し遂げました。
九回、ロハス選手の同点ホームランで試合を振り出しに戻し、延長十一回、ウィル・スミス選手の一発で勝ち越し。苦しい展開を何度も乗り越え、最後まで諦めないドジャースの底力が光った試合でした。

その中心にいたのが、山本由伸投手です。
第6戦では96球を投げて6回1失点の好投を見せ、チームを第7戦へとつなぎました。
そして翌日の第7戦、わずか24時間後に中0日で再びマウンドに上がり、九回裏の1死満塁のピンチを無失点で切り抜け、延長戦を含め2回2/3を完璧に投げ切りました。
最後の打者を抑え、チームが勝利の瞬間を迎えたとき、山本投手は胴上げ投手となり、その圧倒的な存在感でワールドシリーズMVPを受賞しました。
日本人選手としてのワールドシリーズMVP受賞は、2009年の松井秀喜選手以来、史上2人目の快挙です。

今シリーズで山本投手は3試合(うち2試合先発)に登板し、防御率1.02、17回2/3を投げて10安打2失点、15奪三振、3勝、WHIP0.68という驚異的な成績を残しました。
ワールドシリーズで3勝を挙げたのは、2001年のランディ・ジョンソン以来の記録。しかも、メジャー移籍わずか2年目でこの偉業を成し遂げたことは、まさに“伝説”の域に達しています。

一方、大谷翔平選手も球史に残る活躍を見せました。
第4戦と第7戦で先発投手としてマウンドに上がり、打者としても全試合に出場。ポストシーズンでは8本塁打を放ち、打率.265、OPS1.096という圧倒的な成績を残しました。
また、ナ・リーグ優勝決定シリーズ(MLB全体のリーグチャンピオンシップ)では、第4戦に先発して7回途中10奪三振・無失点。さらに打っては3本塁打、3打点という歴史的な活躍でシリーズMVPを受賞しました。
ワールドシリーズ第3戦では2本塁打を含む4安打、5四球(うち4つは申告敬遠)と、“1試合9出塁”という前人未到の記録を樹立。
まさにMLB全体を代表する存在として、投打両面でドジャースを牽引し続けました。

さらに、ロッテから移籍した佐々木朗希投手もポストシーズンでリリーフとして活躍。
最速160キロを超えるストレートと切れ味鋭いフォークで、短いイニングながらも要所を締め、チームに安定感と勢いをもたらしました。
日本人投手3人がそれぞれ異なる役割で結果を残し、ドジャースの勝利を支えたことは、まさに日本野球の誇りといえるでしょう。

第7戦は、劣勢から這い上がり、執念でつかんだ勝利でした。
山本投手の魂の投球、大谷選手の歴史的挑戦、佐々木投手の輝き。
日本人選手たちがMLBという世界最高峰の舞台で主役として戦い抜いた姿は、多くの人々に勇気と感動を与えました。
このシリーズは、「諦めない強さ」と「限界を超える覚悟」が奇跡を呼ぶことを証明した、まさに歴史に残る戦いだったと思います。