
7月27日(日)の実践からみるアクティブリカバリーの有効性
7月27日(日)は、前日までの高ボリューム・中高強度のトレーニングによる遅発性筋肉痛(DOMS: Delayed Onset Muscle Soreness)が、大腿四頭筋・大胸筋・三角筋・上腕三頭筋などに強く現れていました。
この日は回復を目的としてウェイトを用いず、自重負荷と有酸素運動によるアクティブリカバリーを実施:
ディップス(自重):30回 × 3セット
懸垂(自重):30回 × 3セット
ハンギングレッグレイズ:20回 × 3セット
有酸素運動(トレッドミル):約40分(ゾーン2〜3の心拍数)
運動終了後には筋肉痛が軽減。これはアクティブリカバリーの理論に基づいた効果であり、科学的にも多数の研究によって支持されています。
◆アクティブリカバリーの生理学的意義
アクティブリカバリーは、低〜中強度の運動によって局所血流を促進し、炎症性代謝産物(乳酸、IL-6、TNF-αなど)のクリアランスを高め、組織修復を促進する戦略です。さらに、酸素供給と栄養素の運搬を最適化し、筋膜滑走性や可動域(ROM)の改善にもつながります【Cheung et al., Sports Med, 2003】【Dupuy et al., Sports Med, 2018】。
◆完全休養 vs 動的休息の比較
静的休養よりも動的休息(アクティブリカバリー)の方が、DOMS軽減や筋力回復において優れているという知見は多数あります。
**Zainuddin et al., 2005(J Physiol Anthropol Appl Human Sci)**では、軽運動を行ったグループの方が、静的休養群よりも筋痛と筋力低下の回復が早かったと報告。 **Dupuy et al., 2018(Sports Medicine)**では、有酸素運動や軽い筋収縮による回復促進効果を総括的にレビュー。
◆実践上のポイント
強度設定: 最大筋力の30〜40%以下または自重で実施
主観的強度: RPE(自覚的運動強度)5以下に抑える
目的: 筋損傷部位の血流促進、リンパ循環の活性化、関節負荷の回避
◆まとめ:筋肉痛時の最適な選択肢とは
筋肉痛が強い日は「休む」のが正しいと思われがちですが、過度の静的休養は血流の停滞を招き、回復を遅らせるリスクがあります。アクティブリカバリーは、筋損傷の回復を促しながら、神経系の機能や動作パターンを維持できる優れた方法です。
パフォーマンスを高めるためには、強度を落としてでも「動く」ことが、次のセッションへの準備になる――それがトレーニング戦略における“休養の質”の考え方です。