5月4日は“心の豊かさ”を思い出す日。「みどりの日」に込められた願い

5月4日は、「みどりの日」。

ゴールデンウィークの一角として何気なく過ごしている方も多いかもしれませんが、この祝日には深い意味と歴史が込められています。

みどりの日とは?

「みどりの日」は、日本の国民の祝日のひとつで、**「自然に親しみ、その恩恵に感謝し、豊かな心を育む」**という趣旨で制定されています。

英語では「Greenery Day」と訳され、草木の緑や自然の美しさに敬意を表す日として、世界にも紹介されています。

なぜ5月4日なのか?

実は、「みどりの日」の日付は過去に変更されてきた歴史があります。

1989年~2006年までは「4月29日」が「みどりの日」でした。 これは、昭和天皇の誕生日(4月29日)が「天皇誕生日」という祝日だったものが、昭和天皇の崩御に伴い、そのままの日付を残す形で名称を変えたものです。

昭和天皇は植物や自然を深く愛された方であり、その想いを引き継ぐ形で「みどりの日」が生まれました。

そして、2007年からは4月29日が「昭和の日」となり、代わりに「みどりの日」は5月4日へ移動しました。

5月4日は、それまで「国民の休日(祝日に挟まれた平日)」とされていた日。祝日の連続性を保ちながら、意味を持つ祝日として位置づけ直されたのです。

経済成長と“心の豊かさ”への転換点

制定当時の説明では、次のような意義が述べられていました。

「飛躍的な経済成長の結果、我が国の国民生活は物質的にはほぼ満足し得る水準に達した。これからは“心の潤い”や“ゆとり”といった心の豊かさを涵養(かんよう)することが求められる」

この背景には、戦後の高度経済成長を経て、人々が自然や心の癒しを求める時代に入ったことがありました。

物質的な豊かさから、精神的な豊かさへ。

「みどりの日」には、そんな時代の価値観の変化が映し出されています。

自然とのつながりを再確認する一日に

忙しい毎日の中で、自然の美しさに目を向ける機会は少なくなりがちです。

だからこそ、「みどりの日」はただの休日ではなく、自然の恵みに感謝し、自分自身の心にもゆとりを持たせる特別な日として過ごしてみてはいかがでしょうか?

近くの公園を散歩したり、庭の草花に目を向けたり、木々の緑を感じながら深呼吸するだけでも、私たちの心と体はリフレッシュされます。

自然とともに生きることの大切さを思い出させてくれる「みどりの日」。

日々の生活の中で、自然の恩恵に“ありがとう”を伝えるきっかけにしてみてください。