HYROX(ハイロックス)とは?

最近フィットネス業界で急速に知名度を上げている競技があります。

それが「HYROX(ハイロックス)」です。

マラソンでもない。

筋トレ大会でもない。

クロスフィットとも少し違う。

HYROXは「走る」と「全身運動」を組み合わせた新しいフィットネスレースです。

2017年にドイツで誕生し、現在は世界中で急成長しています。世界共通ルールで開催されるため、自分のタイムを世界ランキングと比較できるのも特徴です。

HYROXは非常にシンプルな競技です。

1kmランニング

1種目

これを8回繰り返します。

合計すると、

・8kmランニング

・8種目の機能的ワークアウト

になります。

競技種目は世界共通です。

① スキーエルゴ(1000m)

② スレッドプッシュ(50m)

③ スレッドプル(50m)

④ バーピーブロードジャンプ(80m)

⑤ ローイングエルゴ(1000m)

⑥ ファーマーズキャリー(200m)

⑦ サンドバッグウォーキングランジ(100m)

⑧ ウォールボール(100回)

特徴は、障害物を越える競技ではないという点です。

必要なのは

・走る

・押す

・引く

・担ぐ

・投げる

という、人間の基本動作です。

そのため競技経験者だけでなく、一般の方や普段ジムに通っている方でも挑戦しやすい競技になっています。

HYROXは実は「ランニング競技寄り」

「筋力が強ければ有利そう」

そう思われがちですが、実際はかなり違います。

HYROXで最も失速する原因は筋力不足ではなく、持久力不足です。

競技全体で8km走るため、心肺能力が低いと後半で急激にパフォーマンスが落ちます。

さらに走った直後に、

・重いスレッド

・ランジ

・ウォールボール

が待っています。

つまり求められるのは最大筋力ではなく、

「疲労下でも作業能力を維持する能力」

です。

スポーツ科学では「Work Capacity(ワークキャパシティ)」と呼ばれる能力に近い考え方です。

HYROXで超重要なスキーエルゴとは?

最初の種目がスキーエルゴです。

競技では1000m実施します。

HYROXでは主にConcept2 SkiErg(コンセプト2 スキーエルゴ)が使用されています。HYROX公式パートナーでもあります。

これはクロスカントリースキーのダブルポール動作を再現したマシンです。

初心者は腕だけで引いてしまいます。

しかし実際は違います。

正しいイメージ:

股関節屈曲

体幹固定

腹圧維持

肩甲骨下制

この順番です。

腕の種目ではありません。

主な使用筋群:

・広背筋

・腹直筋

・腹斜筋

・臀筋

・ハムストリングス

・三角筋

・前腕

ほぼ全身運動です。

スキーエルゴ初心者で多いエラー

腕主導で引く

前腕疲労

心拍急上昇

後半失速

特に上半身の筋力が強い方ほど、腕だけで処理しやすい傾向があります。

脚と股関節を使う意識が重要です。

おすすめ練習

500m×5本

休憩90秒

または

1000m×3本

レース想定ペース

ローイングエルゴとは?

5種目目はローイングエルゴです。

これも1000m行います。

使用マシンはConcept2 RowErg(コンセプト2 ローイングエルゴ)です。

ボート競技でも世界標準機として使われています。

初心者が最も多く行うミスがあります。

背中

で引くことです。

正しくは逆です。

股関節伸展

これが正解です。

出力割合の目安:

脚60%

体幹20%

腕20%

使用筋群:

・大腿四頭筋

・臀筋

・脊柱起立筋

・広背筋

・腹筋群

全身の連動能力が重要になります。

ローイングエルゴ初心者で多い失敗

序盤で飛ばす

脚が終わる

後半地獄

1000mは想像以上に長いです。

おすすめ練習

250m×8本

休憩60秒

または

500m×5本

休憩90秒

HYROX初心者でよく見られる失敗

HYROX初心者でよく見られるのが、基礎能力を十分に作る前に、いきなり重いスレッドや高強度メニューを行ってしまうケースです。

これは注意が必要です。

土台がない状態では、

・腰痛

・膝痛

・肉離れ

・アキレス腱障害

につながることがあります。

特にスレッドプッシュは想像以上に局所疲労が強く、フォームが崩れると負担が一気に増えます。

HYROX初心者おすすめトレーニング順序

順番が非常に重要です。

① ゾーン2ランニング

30〜60分

週2〜3回

会話可能強度

② 1km反復走

1km×4〜6本

③ スクワット

④ ランジ

⑤ スレッド

⑥ HYROX複合練習

この順番がおすすめです。

実践メニュー(週4回)

30〜60分ランニング

+腹筋

脚+スレッド系

1kmインターバル

HYROXサーキット

例:

800mラン

500mスキーエルゴ

20mファーマーズキャリー

15回バーピー

500mローイングエルゴ

×4周

重要なのは全力ではありません。

ペース維持能力です。

本番対策

本番で最も多い失敗があります。

スタート直後に飛ばすことです。

前半5秒の短縮が、後半30秒の失速になることがあります。

スキーエルゴもローイングエルゴも、

「全力」

ではなく、

「やや余裕がある」

くらいがちょうど良いです。

HYROXは筋トレ大会ではない

HYROXはベンチプレス大会でもありません。

マラソン大会でもありません。

求められるのは

「走れる筋肉」

です。

疲労してからも動き続ける。

呼吸が苦しくても止まらない。

それがHYROXの本質です。

まずはタイムより完走を目標にしてください。

そこから少しずつ、自分の限界を更新していけば十分です。