体脂肪率5%でも「肥満」?
BMIの真実と本当の健康づくり
こんにちは、パーソナルトレーナーの小濱裕司です。今年も健康診断で「BMIが肥満」と判定されましたが、筋肉質な私にとってはいつものことです。しかし、この「肥満」の定義には落とし穴があります。
一般的に使われる肥満の判定指標として「BMI(Body Mass Index)」があります。BMIは「体重(kg) ÷ 身長(m) ÷ 身長(m)」という計算式で求められます。日本におけるBMIの基準として、例えば次のようなものがあります。
– BMI 18.5未満: 低体重(やせ型)
– BMI 18.5以上 ~ 25未満: 普通体重
– BMI 25以上 ~ 30未満: 肥満(1度肥満)
– BMI 30以上 ~ 35未満: 肥満(2度肥満)
– BMI 35以上 ~ 40未満: 肥満(3度肥満)
– BMI 40以上: 肥満(4度肥満)
例えば、身長170cmの人が「普通体重」であるためには、体重が72.1kg以下である必要があります。さらに、標準とされるBMI22を目指すなら、体重は約62.35kgになります。これらの数値に当てはめると、かなり減量する必要があると感じる方も多いでしょう。
しかし、BMIは体重と身長のみを基にしたシンプルな指標であるため、筋肉量が多い人にとっては正確な肥満判定ができない場合があります。筋肉は脂肪よりも密度が高く、重い性質を持っています。そのため、筋肉質な人は体脂肪率が低くても、BMI値が高く出ることがあるのです。
例えば、私が現役のサンボ日本代表選手だった頃のエピソードです。健康診断で「BMIが肥満」と判定され、医師から「体重を10kg減らすように」と指導されましたが、その時の体脂肪率はわずか5%でした。この話を周囲にすると、みんな大笑いでした。
このように、BMIはあくまで一つの目安であり、健康を総合的に判断するためには、筋肉量や体脂肪率など他の指標も考慮することが重要です。肥満の基準は一律ではなく、個々の体の状態に合わせて判断する必要があります。特に筋肉質な方やスポーツ選手などは、BMIだけで「肥満」と判断されることが多く、適切な判断とは言えないケースも多いです。
特に筋肉量や活動量が多い方々にとって、BMIだけで健康状態を判断するのは大きなリスクを伴う可能性があります。現代の健康管理には、より多角的なアプローチが求められています。
私自身、パーソナルトレーナーとして多くの方々の健康やフィットネスをサポートしている中で、健康的な体を目指すためには体重やBMIだけに頼らず、食生活、運動、睡眠、そして自己理解が必要だと感じています。皆さんも、体重やBMIだけに惑わされず、他の健康指標も考慮しながら、自分にとっての健康的な体型を見つけていきましょう。
小濱裕司