関節痛にまつわる5つの誤解

関節が痛む…動かすと違和感がある…

そんな悩みを抱える方は多いですが、その原因や対処法には誤解がつきものです。

❌ 誤解1:関節が痛むのは関節炎が原因

実は…

▶ 関節痛の多くは「関節炎」ではなく、「関節症」「腱炎」「滑液包炎」などが原因!

特に「変形性関節症」は、関節軟骨のすり減りが原因で起こる痛みで、加齢や使いすぎが要因となります。

出典

• 日本物理療法学会『関節痛の原因に関する調査研究』(J-Stage, 2011)

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POINT: 関節痛=関節炎と思い込まず、まずは医療機関での診断を!

❌ 誤解2:運動をすると関節の状態が悪化する

実際は…

▶ 適切な運動は、関節痛の緩和と機能回復に効果的!

たとえば、以下のような運動が推奨されています。

• 水中ウォーキング

• 軽いスクワットやレッグエクステンション

• エアロバイクなどの低負荷有酸素運動

出典

• Cochrane Review: Exercise for osteoarthritis of the knee(Fransen et al., 2015)

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POINT: 不安を抱くクライアントには、運動の「根拠あるメリット」を伝えることが重要!

❌ 誤解3:年齢を重ねると必ず関節炎になる

でも実は…

▶ 65歳以上でも約半数は関節炎を発症していない!

年齢だけでなく、以下の要素も関係します:

• 性別(女性に多い)

• ホルモンバランス

• 遺伝や過去の怪我

• 生活習慣(運動不足・肥満・喫煙など)

出典

• CDC & Arthritis Foundation(2020年)

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POINT: 加齢は「運命」ではなく、「予防可能なリスク」!

❌ 誤解4:関節症は年配の人だけのもの

これは大きな誤解!

▶ 若年層でも関節症や関節炎は発症します!

とくにスポーツをする若者には注意!

• 過度なトレーニング

• フォームの乱れ

• 十分な回復が取れていない

などが関節の炎症や変形につながるリスクに。

出典

• BMJ Open Sport & Exercise Medicine(2018)

論文を読む

POINT: 若い世代の人も「痛みは我慢せず、早期対応を」

❌ 誤解5:指を鳴らすと関節症になる

なんとなく「体に悪そう」と思いがちですが…

▶ 科学的には“害がない”という研究結果が出ています!

指を鳴らす音は、関節液中の気泡がはじける音であり、関節や骨を傷つけているわけではありません。

ただし注意!

無理な力で引っ張るなどの動作は、靱帯や腱を痛める可能性があります。

出典

• Castellanos & Axelrod(1990)

NCBI論文はこちら

POINT: 指を鳴らすだけでは、関節炎にはならない