喉が痛いときの正しい対処法|エビデンスに基づくケア

喉が痛いとき、まず知っておいてほしい正しい対処法

― トレーニングを続けるために大切なこと ―

季節の変わり目や疲労が重なったタイミングで、

「急に喉が痛くなった」という経験をされた方も多いと思います。

喉の痛みは軽く見られがちですが、

放置するとトレーニングの質が落ちたり、回復を遅らせたりすることが、医学的にも分かっています。

今回は、

喉が痛くなったときに有効とされている、エビデンスに基づいた対処法をお伝えします。

喉の痛みの正体は「粘膜の炎症」

多くの場合、喉の痛みは

・ウイルス感染

・乾燥

・疲労や睡眠不足

・声の使いすぎ

などによって起こる、咽頭や扁桃の粘膜の炎症です。

つまり、

喉の痛みは「気合」や「我慢」でどうにかなるものではなく、

炎症を起こしている粘膜の環境を整えることが回復の近道になります。

① 水分補給は最も重要な対処法

医学研究や各種ガイドラインでも、

喉の痛みがあるときの水分補給は最も基本的で重要な対処法とされています。

・喉の粘膜の乾燥を防ぐ

・炎症部位への刺激を減らす

・回復に必要な血流を保つ

特におすすめなのは、

常温〜温かい飲み物をこまめに摂ることです。

冷たい飲み物は一時的に楽に感じることもありますが、

粘膜を刺激する可能性があるため、回復期にはあまり向いていません。

② 水分補給と併せて「うがい」も有効

うがいは、喉の痛みを直接治す治療ではありませんが、

・喉に付着したウイルスやホコリを洗い流す

・粘膜への刺激を減らす

といった点で、予防・補助的な手段として有効です。

水分補給と並行して、

無理のない範囲でうがいを取り入れると、喉への負担軽減につながります。

③ 市販薬は「炎症を抑えるタイプ」を選ぶ

喉の痛みが出始めた段階では、

炎症を抑える作用を持つ成分を含む市販薬は合理的な選択です。

代表的なのが、

**トラネキサム酸(抗炎症作用のある成分)**を含む内服薬です。

トラネキサム酸は、

炎症に関与する物質の働きを抑えることで、

咽頭や扁桃の腫れ・痛みを和らげる作用が知られています。

国内では、

軽度〜中等度の咽頭炎・扁桃炎に対する使用実績が長く

また眠くなる成分を含まない点も、日常生活やトレーニングを続ける方にはメリットです。

④ はちみつは大人にとって有効

意外に思われるかもしれませんが、

はちみつには医学的な裏付けがあります

・咽頭粘膜を保護する

・軽い抗炎症作用がある

・痛みや不快感を和らげる

海外の研究やガイドラインでも、

成人の上気道感染症による喉の不快感や咳の緩和に役立つとされています。

※ なお、1歳未満のお子さんには使用できません(ボツリヌス菌中毒のリスクがあるため)。

⑤ トローチ・スプレーの位置づけ

トローチやのどスプレーは、

・一時的に痛みを和らげる

・喉を楽に感じさせる

という点では役立ちます。

ただし、

炎症そのものを根本的に治すエビデンスは強くありません

あくまで

「症状を和らげるための補助的な手段」として活用するのが適切です。

⑥ 避けたほうがいい行動

喉が痛いときは、以下の行動をできるだけ避けましょう。

・大声を出す

・乾燥した環境で長時間過ごす

・アルコールの摂取

・睡眠不足

特に、

無理にトレーニング強度を上げることは回復を遅らせる原因になります。

⑦ こんな症状がある場合は医療機関へ

以下のような症状がある場合は、

セルフケアの範囲を超えている可能性があります。

・38℃以上の発熱が続く

・喉の片側だけが強く痛む

・白い膿が見える

・飲み込むのがつらいほどの痛み

・数日経っても悪化している

この場合は、我慢せず早めに医療機関を受診してください。

まとめ

喉の痛みは、

トレーニングをしている方ほど軽視しやすい症状のひとつです。

しかし、

正しい対処をすることで回復は早まり、

結果としてトレーニングを止めずに済みます。

・水分補給を最優先に

・必要に応じて抗炎症作用のある市販薬を活用

・うがい・安静・環境調整を意識する

これらはすべて、

体づくりを継続するためのコンディション管理の一部です。

日々のトレーニングと同じように、

体調管理も大切にしていきましょう。