✦ 映画「栄光のバックホーム」が教えてくれた、挑戦することの意味
昨日、USシネマ木更津で映画「栄光のバックホーム」を鑑賞しました。
横田慎太郎さんのことは知っていたつもりでしたが、スクリーンの中で描かれる“折れない心”に改めて胸が熱くなりました。
視力の低下や病気の苦しさに向き合いながらも、最後の最後まで前を向き続けた横田さん。
「もう一度グラウンドに立ちたい」という強い願いは、観客であるこちら側にも確かな力を与えてくれます。
✦ 私自身も、いま挑戦の途中にいる
そして映画を観ながら、どうしても自分自身の状況と重なりました。
私は現在、右肩の手術後のリハビリ中です。
右肩の外旋はほとんどできず、腕を後ろに回す動作には大きな制限があり、背中どころか 腰にすら手が届きません。
右手で重りを持つこともできず、当たり前だった動きが一つひとつ壁のように感じられます。
ウェイトトレーニング歴は34年。
パーソナルトレーナーのキャリアは24年。
長年身体づくりと向き合ってきた私にとって、身体が思い通りに動かない現実は簡単には受け入れられないものです。
それでも――映画の中の横田さんの姿を見ていると、
「諦めなければ、必ず前へ進める」
そんな当たり前で、でも忘れがちなことを思い出させてもらえました。
✦ 映画には描かれていない、2023年の “もうひとつの物語”
映画を観ながら強く思い出したのが、横田さんが亡くなった2023年に起こった阪神タイガースの奇跡のシーズンです。
■ 18年ぶりのリーグ優勝
阪神が甲子園で18年ぶりの優勝を決めた試合。
9回のマウンドに向かったのは、横田慎太郎さんと同期入団の 岩崎優投手。
そして、普段の登場曲ではなく、
横田さんの登場曲「栄光の架け橋」 で登場しました。
球場全体が「栄光の架橋」に包まれる中、同期の仲間が優勝をつかみに行く姿は、胸が震えるほど感動的でした。
そして優勝後、
岡田彰布監督とともに 横田慎太郎さんのユニフォームが胴上げされました。
背番号24は、今もチームの中心にいる――
そう感じさせられる瞬間です。
■ 38年ぶりの日本一
続く日本シリーズ第7戦。
舞台は京セラドーム大阪。
阪神は4勝3敗で日本シリーズを制し、38年ぶりの日本一 へ。
最後のマウンドを託されたのは、またしても同期入団の 岩崎優投手。
横田さんと同じ年にプロの世界へ飛び込み、共に歩んできた仲間が、最高の舞台で胴上げ投手となりました。
胴上げの輪の中では、
選手たちが横田慎太郎さんのユニフォームを掲げながら、岡田監督の胴上げに参加していました。
背番号24が高く掲げられる姿は、
横田さん自身が日本一の瞬間に立ち会っているように見えました。
✦ 横田慎太郎さんは、阪神を日本一へ導いた“栄光の架け橋”になった
横田慎太郎さんは2023年7月18日、28歳で旅立ちました。
そのわずか数ヶ月後に実現したリーグ優勝と日本一。
・リーグ優勝では登場曲「栄光の架け橋」とともに同期の岩崎優が胴上げ投手
・岡田監督と横田さんのユニフォームが宙に舞う
・日本一では再び岩崎投手が胴上げ投手
・そして選手たちが横田さんのユニフォームを掲げて胴上げに加わる
これらの出来事はまるで、
横田慎太郎さん自身が、阪神タイガースを“38年ぶりの日本一という栄光”へ導いた
そんな物語のように感じられました。
映画の物語の先に、
現実の奇跡が重なっていたことに胸が熱くなります。
✦ 映画と現実の物語が、私自身の背中を押してくれた
リハビリは簡単な道ではありません。
思うように身体が動かず、苦しい日もあります。
右手が腰にも届かない今の自分に落ち込む瞬間もあります。
けれど、横田慎太郎さんの生き方、
そして彼の想いを背負って戦い抜いた阪神タイガースの選手たち。
その姿を重ねて思うのは、
「諦めない心は、必ず未来を動かす力になる」 ということ。
だからこそ焦らず、腐らず、今日できることを積み重ねていく。
その先に、自分自身の “栄光の架け橋” が必ずあると信じて、
これからもリハビリを続けていきたいと思います。

