筋肉をつけて痩せるべき?それとも痩せてから筋肉をつけるべき?
「筋肉を増やして痩せる」か「まず痩せてから筋肉をつける」か、迷っている方へ。
どちらが効率的かを理解することで、理想の体を手に入れる道が見えてきます。今回は、正しい優先順位と実践方法を解説します。
筋肉を増やせば痩せやすくなる?
筋肉は体の中でエネルギーを消費する役割を持っていますが、実は筋肉1kgあたりが消費するカロリーは1日にわずか13kcal程度とされています。
しかし、筋肉が増えると心臓や肝臓、血管、骨などの組織も成長し、それに伴って代謝が上がるため、除脂肪体重(体脂肪を除いた体の重さ)が1kg増えると、1日に約28~50kcal基礎代謝が上がるというデータもあります。
さらに、筋肉が増えると日常生活や運動で消費されるカロリーも増えるため、痩せやすい体質になることは確かです。ただし、この効果は筋肉が大幅に増えない限り劇的ではありません。
痩せにくい原因:インスリン感受性の低下
体脂肪率が高い状態では、「インスリン感受性」と呼ばれるホルモンの働きが低下し、痩せにくい体質になりがちです。
脂肪細胞から分泌される物質には「善玉」と「悪玉」があり、肥満によって悪玉が優位になると、インスリンが正常に働かなくなります。この状態では筋肉への栄養供給が滞り、筋肉を効率よく増やすことが難しくなるのです。
また、脂肪が筋肉や肝臓など本来脂肪が溜まらない場所に蓄積される「異所性脂肪」が、さらに痩せにくくする要因となります。
体脂肪が多いと可動域が狭くなる?
体脂肪率が高いと、関節の可動域が狭くなり、トレーニングの質が下がることがあります。たとえば、腹筋運動やスクワットでしっかりと筋肉を収縮・伸展させるのが難しくなり、トレーニングの効果が十分に得られません。
そのため、体脂肪が多い場合は「まずダイエットで体脂肪を減らし、それから筋肉をつける」方が、効率的に理想の体を目指せるのです。
ダイエット中も筋トレを!おすすめの方法
ダイエットをしながら筋肉を守り、さらに体脂肪を燃やすには、筋トレと有酸素運動を組み合わせるのがおすすめです。
中でも初心者に効果的なのが「サーキットトレーニング」。これは複数の筋トレ種目を休憩を挟まずに行う方法で、脂肪燃焼効果が高いのが特徴です。
簡単なサーキットトレーニング例
以下のエクササイズを1セットずつ、休憩なしで行いましょう。
- レッグプレス(脚全体)
- レッグカール(太ももの裏)
- カーフレイズ(ふくらはぎ)
- ベンチプレス(胸・腕)
- ラットプルダウン(背中)
- ショルダープレス(肩)
- バイセップカール(二の腕前側)
- トライセップエクステンション(二の腕後側)
- アブドミナルクランチ(腹筋)
- バックエクステンション(背筋)
時間がない場合は1セットだけでもOK!
研究によると、1セット(約16分)でも運動後の基礎代謝が72時間持続し、脂肪燃焼効果が得られることがわかっています。慣れてきたらセット数や負荷を増やしていきましょう。
まとめ:効率的な体づくりの優先順位
- 体脂肪率が高い人は、まずダイエットで脂肪を減らし、インスリン感受性や可動域を改善する。
- ダイエット中でも筋トレを行い、筋肉を維持する。
- 体脂肪が減少してきたら、筋肉を増やすトレーニングを本格化する。
効率的な体づくりには、正しい順序と継続が重要です。ぜひ今回の内容を参考に、無理なく理想の体を目指してください!