110kgは挙がる。それでも止めた理由 ― 術後5ヶ月、再断裂ゼロで205kgへ

2月23日(月)、天皇誕生日。

術後5ヶ月のベンチプレス。

この日は10kgずつ丁寧に重量を上げ、110kgまで到達しました。挙上スピードも安定し、体感的にはかなり余裕があります。力そのものは戻ってきている感覚があります。

その後、100kg×4回を5セット行う予定でした。

しかし、2セット目を終えた時点で中止しました。

理由は明確です。

筋力不足ではありません。

内視鏡を入れた部分の創部にヒリヒリする感覚が出たこと。そして、肩峰と鎖骨周辺が内側から押されるような圧迫感を感じたこと。

110kgは楽に挙がる。

100kg×4回も余裕がある。

それでも止める。

術後5ヶ月の今、最も重要なのは「どこまで挙がるか」ではなく、「どこでやめるか」です。

棘上筋・棘下筋・肩甲下筋の3腱を鏡視下で縫合してからまだ5ヶ月。筋力は先に戻ります。しかし腱の成熟度、関節包の滑走、肩甲上腕関節の求心位を保つ能力は、筋力よりも遅れて回復します。

単発では問題が出ない。

しかし反復で違和感が出る。

これは「弱い」のではなく、「組織がまだ完成していない」というサインです。

もし若い頃なら、予定通り5セットやっていたかもしれません。しかし今の目的は筋肥大でもパワーアップでもありません。

再断裂ゼロで205kgに戻すこと。

ベンチを中止した後、ケーブルで肩関節の内旋・外旋を行うと違和感は軽減しました。炎症というより、滑走不全や一時的な前方圧迫による反応の可能性が高いと感じています。

だからこそ、押し切らない。

今は強くなる時期ではなく、強くなれる体を再構築する時期。

明日は整形外科を受診します。

日々のパーソナルトレーナー業務――

20kg・25kgプレートの付け替え、ベンチプレスの補助や強制挙上など、高重量環境での動作をどこまで許容してよいのか。

トレーニングにおいては、

・どの強度帯まで安全か

・肩峰部の圧迫感は経過として想定内か

・創部のヒリヒリ感は問題ない範囲か

具体的に確認してきます。

感覚だけで判断しない。

理屈と医学的裏付けを持って積み上げる。

若い頃は「壊しても戻せる」前提で強くなれました。

しかし今は違います。

これからは「壊さずに強くなる」。

重さに勝つのではない。

焦りに勝つ。

そして、加齢に勝つ。

ここからが本当の挑戦です。