眠りの科学で体を整える──成長ホルモンを最大限に引き出す3つの習慣

睡眠で成長ホルモンを最大限に引き出すための3つの整え方

1.朝の光で体内時計を整える

朝起きて太陽光を浴びると、体内時計がリセットされ、その日のリズムが整い始めます。

睡眠ホルモンのメラトニン分泌は抑えられ、同時に覚醒へ向かう準備が進みます。セロトニン(気分を安定させる神経伝達物質)も光刺激で合成が促されるため、日中の活力が生まれやすくなる。

結果として「夜に自然と眠気がくる」リズムが成立し、深く長く眠れる土台になります。

2.就寝約1時間前に“逆算入浴”

人は体温が下がり始めたタイミングで眠気が強くなります。

そのため、入浴は就寝の約1時間前が適切とされます。40℃前後のぬるめの湯につかると皮膚の血流が増え、深部体温がゆるやかに低下しやすくなります。

深部体温がスムーズに下がるほど、寝つきが良くなり、深いノンレム睡眠に入りやすくなる──つまり成長ホルモンが出やすい状態をつくれるわけです。

3.睡眠時は“光を遮断する”

メラトニンは光に非常に敏感です。就寝時に強い光があると、分泌が妨げられ、睡眠の質が低下します。

寝室はできるだけ暗くし、スマホ画面の光も避けたいところ。

また、日中の生活環境も影響します。強すぎる蛍光灯の白色光ばかりで過ごすより、夕方以降は暖色系の間接照明に切り替えると、自然な眠気の流れが作られます。

まとめ

深い睡眠は、修復のスイッチです。

筋肉・神経・ホルモンバランスを立て直す“夜のメンテナンス時間”を最大化するには、朝の光・逆算入浴・暗い寝室という、シンプルだけれど強力な環境づくりが欠かせません。こうした環境づくりは、体づくりを続ける人にとって、重量設定やセット数と同じくらい重要な要素になります。

心身の整い方は、トレーニングの質に直結します。明日のパフォーマンスのための睡眠づくりを、今日の生活習慣から静かに積み重ねていくのが近道です。