右肩術後の「左だけトレーニング」

今日は術後2回目の24時間ジム。

まだ右肩は保護が必要なので、負担のない範囲で“左側だけ”を動かしてみました。

私は右利きで、普段から右側ばかり使って生活している典型的なタイプです。

だからこそ、左側の運動はまるで初心者のような感覚。

特に胸の種目をやった時、想像以上にキツくて驚きました。

背中の動きはまだ残っているのに、胸だけ反応が悪い。

これは明らかに**「日常で胸を使っていない生活パターン」**そのもの。

多くのお客様が

「胸の筋肉を感じにくい」

「腕ばかり疲れる」

と悩む理由を、まさに自分の体で再確認しました。

人間の身体は、使わない部位からどんどん“音信不通”になっていきます。

胸のプレスが急に重く感じたのは、まさにその証拠でした。

■ ケガ中だからこそ見える「本当の弱点マップ」

トレーニングをしていると筋力は確かに強くなります。

ただし、左右が均等かどうかは別問題。

実際、左右対称に動ける人はとても少ないです。

ケガで右側を封印してみて、自分の身体の偏りが一気に見えてきました。

いわば、自分の身体の**「弱点マップ」**がくっきり姿を現したような感覚です。

特に大きかった気づきはこの3つ。

• 肩甲骨の可動域の差

• 力の入る順番(連動性)の違い

• 動作中の軌道のブレ

どれも普段は右側の“補正力”で誤魔化せてしまう部分です。

しかし、左側だけで動くと誤魔化しゼロ。

弱点が丸見えになります。

けれど、これは良いニュースでもあります。

この回復期間に左側の安定性・神経系・軌道を整えておくと、

術後の復帰時には“全体のパフォーマンス”が1段階上がる可能性が高いからです。

ピンチに見えて、これは実は大きなチャンスでもあります。

■ 左側だけ鍛えると右側の回復も促す「クロスエデュケーション」

「左だけ鍛えて意味あるの?」

と感じる人も多いはずです。

結論から言うと、ものすごく意味があります。

科学的には、片側を鍛えることで反対側にも良い刺激が伝わる

クロスエデュケーション(Cross-Education)

という現象が報告されています。

左を鍛える

→ 左の神経系が活性化

→ その神経の“学び”が右側へも伝わる

つまり、左側を動かすことは、間接的に右側の回復サポートにもなるわけです。

これはリハビリの世界でも非常に有効な考え方で、

「片側トレーニングは妥協」どころか、

むしろ**「ケガ中だからこそできる合理的な戦略」**といえます。

■ 今日のまとめ:ケガは身体の“取扱説明書”を書き直すチャンス

右肩はまだ完全ではありませんが、今回の“左だけトレーニング”は良い学びでした。

・左右差の把握

・日常生活でサボっていた筋肉の発見

・復帰後のトレーニング戦略の土台づくり

ケガは不便です。

しかし、身体と向き合う時間としては最高の教材でもあります。

焦らず、しかし 「学べることは全部学ぶ」 という姿勢で、回復期を充実させていきます。

もし皆さんも

「利き手じゃない方が何となく苦手…」

と感じたら、片側だけの軽い運動を一度試してみてください。

自分の身体の意外な真実に気づけるはずです。