今日、週1回のパーソナルトレーニングを受けているお客様から、次のような相談がありました。
「内臓脂肪は十分落ちたのですが、皮下脂肪も落としたいです」
お話を伺うと、自宅や他のジム等で運動を続けることは難しく、小濱トレーニングジムでの週1回が唯一のトレーニングになっていました。そのため、体脂肪をさらに落として体型を変えていくには週の運動量を増やす必要があると考え、パーソナルトレーニングを週2回に増やすことをお勧めしました。
内臓脂肪が減っているのであれば、これまでの食事管理が無駄だったわけではありません。健康面を考えても大切な変化です。しかし、お腹や腰まわり、二の腕、脚などの見た目に影響する皮下脂肪まで落としていくためには、食事制限だけでなく、週全体の運動量を見直す必要があります。
今回の相談のように、自宅や一般のジムではトレーニングを行わず、小濱トレーニングジムでの週1回だけが唯一の運動になっている場合、「毎週通っているから大丈夫」とは限りません。
週1回のパーソナルトレーニングにも十分な意味はあります。ただし、目的が体力維持ではなく、体脂肪を落として体型を変えることなら、週2回への変更を検討する価値があります。
■ 週1回のパーソナルトレーニングにも意味はある
週1回でも、継続することで次のような効果が期待できます。
● 正しいフォームを習得できる
● 筋力や体力の低下を抑えやすい
● 定期的に身体を動かす習慣ができる
● 体調や体重の変化を確認できる
● 自分だけでは扱いにくい強度でトレーニングできる
そのため、健康維持や運動習慣を途切れさせないことが目的なら、週1回から始めることは適切です。
一方、1週間は168時間あります。60分のパーソナルトレーニングを週1回受けても、残りの167時間をほとんど動かずに過ごしていれば、週全体のエネルギー消費量は大きく増えません。
体脂肪の減少を決めるのは、トレーニング中に汗をかいたかどうかではなく、食事を含めた長期的なエネルギー収支です。週1回のトレーニングを頑張っていても、それ以外の日の活動量が少なければ、皮下脂肪の減少が途中で停滞することは十分に考えられます。
■ 内臓脂肪が先に落ちても、食事制限の失敗ではない
内臓脂肪と皮下脂肪は同じ体脂肪でも、蓄積する場所や性質が異なります。
内臓脂肪は腹腔内の臓器周辺につく脂肪で、皮下脂肪は皮膚の下に蓄積します。減量初期には、皮下脂肪よりも内臓脂肪の減少率が大きくなる場合があります。
したがって、「内臓脂肪は落ちたのに皮下脂肪が残っている」という変化自体は不自然ではありません。ここで極端に食事量を減らすと、体脂肪だけでなく筋肉まで減らし、体重は落ちても思ったような体型にならない可能性があります。
また、腹筋運動を増やせば腹部の皮下脂肪だけが落ちる、脚の種目を増やせば脚の脂肪だけが落ちる、と確実に言える根拠はありません。皮下脂肪を減らすには、特定部位だけを動かすのではなく、全身の筋肉を使いながら総脂肪量を段階的に減らしていくことが基本です。
■ 筋力トレーニングは週2~3日が推奨されている
厚生労働省の「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」では、成人に対して筋力トレーニングを週2~3日行うことを推奨しています。
これは「週1回では何の効果もない」という意味ではありません。しかし、筋力や身体機能を改善しながら、十分なトレーニング量を確保する頻度として、週2~3日が一つの目安になります。
食事制限中は、脂肪だけでなく筋肉も減少する可能性があります。2025年に発表された25件のランダム化比較試験のメタ解析では、食事制限だけを行った場合と比べて、レジスタンストレーニングを組み合わせることで、体重の減少量には明確な差がなかったものの、脂肪量がより減り、除脂肪量の減少が抑えられました。
つまり、体重計の数字だけでは大きな違いがなくても、筋肉を守りながら脂肪を落とすという身体組成の面では、筋力トレーニングを行う意味があります。
過体重または肥満の方を対象とした114試験のメタ解析でも、レジスタンストレーニング単独で体脂肪率と脂肪量が減少し、皮下脂肪にも小さいながら有意な変化が確認されています。レジスタンストレーニングと有酸素運動を組み合わせたプログラムでは、皮下脂肪への効果がやや大きくなっていました。
■ 大切なのは回数だけではなく、週全体の運動量
体脂肪を落とすうえで、「週何回」という回数だけに特別な効果があるわけではありません。重要なのは、1週間にどれだけの運動を継続して行ったかです。
2026年に発表された315人を対象とした研究では、週75分のインターバルトレーニングを週1回にまとめたグループと、週3回に分けたグループを比較しました。16週間後、どちらのグループも脂肪量と体脂肪率、ウエスト周囲径が減少し、脂肪量の変化に両群間の有意差はありませんでした。
この結果からも、同じ週75分を1回で行うか3回に分けるかより、週75分という運動量を実行することが重要だと分かります。
ただし、週60分のパーソナルトレーニングを30分ずつ2回に分ける場合と、60分を週2回受ける場合は話が異なります。60分×週1回から60分×週2回に増やせば、指導を受けながら行う週のトレーニング量は、単純計算で2倍になります。
週2回にすることで、一度のセッションに多くの種目を詰め込みすぎず、下半身、胸、背中、肩、腕、体幹などをバランスよく鍛えやすくなります。疲労でフォームが崩れる前に必要な運動量を確保し、種目や重量を段階的に進められることも利点です。
■ 有酸素運動も「週の合計時間」で考える
2024年に発表された116件、6,880人を対象としたメタ解析では、中強度以上の有酸素運動を週150分以上行うことが、ウエスト周囲径や体脂肪の明確な減少と関連していました。週30分程度でも小さな効果は認められましたが、運動時間が週300分まで増えるにつれて、体重、ウエスト、内臓脂肪、皮下脂肪の減少量も大きくなる傾向が確認されています。
もちろん、最初から全員が週150分の有酸素運動を行う必要はありません。年齢、体力、関節の状態、既往歴によって適切な運動量は異なります。
ただし、パーソナルトレーニングを週1回受けるだけで、それ以外はほとんど身体を動かさない場合、研究で脂肪減少が確認されている運動量には届きにくくなります。
自宅で筋力トレーニングを続けることが難しい方でも、可能であれば歩行時間を増やす、座り続ける時間を短くする、階段を利用するなど、日常の身体活動を増やすことはできます。それも難しい場合は、週2回のパーソナルトレーニングで管理された運動時間を確保する方法が現実的です。
■ 体脂肪を落としたい方に週2回を勧める理由
小濱トレーニングジムでは、すべての方に同じ頻度を勧めるわけではありません。目的と生活環境によって必要な頻度は変わります。
健康維持や運動習慣づくりが中心で、トレーニングをしない日にもよく歩いている方なら、週1回から継続する方法もあります。
一方、次のような方は週2回を検討した方がよいでしょう。
● 体脂肪を落として見た目を変えたい
● 食事制限だけでは皮下脂肪が減らなくなってきた
● 自宅や一般のジムではトレーニングできない
● 週1回以外は運動する機会がほとんどない
● 減量中も筋肉と筋力をできるだけ維持したい
● 一人では十分な強度まで追い込めない
週2回であれば、全身のレジスタンストレーニングを基本にしながら、体力や目的に応じて有酸素運動やインターバルトレーニングを加えられます。2回の内容を変えることで、同じ部位に負担を集中させずに週の運動量を増やすことも可能です。
■ 体組成計の数字だけで判断しない
「内臓脂肪が減った」「皮下脂肪が変わらない」という判断が体組成計によるものであれば、測定条件にも注意が必要です。
一般的な体組成計が表示する内臓脂肪や体脂肪率は、CTやMRIで脂肪を直接測定した数値ではなく、身体に流した微弱な電流などから算出した推定値です。水分摂取、食事、測定時間、直前の運動などによって変動します。
毎回できるだけ同じ時間、同じ食事条件、同じ水分状態で測定し、1回の数値ではなく数週間から数か月の推移を確認することが大切です。
体重と体脂肪率だけでなく、ウエスト周囲径、写真、服のゆとり、トレーニング重量などを組み合わせて評価すると、身体の変化をより正確に捉えられます。
■ 本気で体脂肪を落とすなら、週の運動量を見直す
週1回のパーソナルトレーニングは、何もしない場合と比べれば大きな一歩です。継続する価値もあります。
しかし、「毎週1回通っている」という事実だけで安心してしまい、残りの日をほとんど動かずに過ごしていれば、体脂肪や見た目の変化が途中で止まる可能性があります。
特に、自主トレーニングが難しく、体脂肪を落として体型を変えることが目標なら、週2回のパーソナルトレーニングはぜいたくな選択ではなく、必要な運動量を確保するための現実的な方法です。
食事管理を続けながら、筋肉を守るレジスタンストレーニングと、エネルギー消費を増やす運動を組み合わせる。その積み重ねによって、内臓脂肪の減少で止まらず、皮下脂肪を含めた全身の体脂肪減少を目指せます。
小濱トレーニングジムでは、初回体験で現在の体力、運動歴、既往歴、生活習慣、目標を確認し、一人ひとりに合ったトレーニング内容と頻度をご提案します。本気で身体を変えたい方は、まず初回体験から始めてください。
■ 参考資料
● 厚生労働省「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」成人版
● 食事制限中のレジスタンストレーニングと身体組成に関するメタ解析(BMJ Open Sport & Exercise Medicine, 2025)
● 過体重・肥満者に対するレジスタンストレーニングのメタ解析(Obesity Reviews, 2022)
● 有酸素運動量と体脂肪減少の用量反応メタ解析(JAMA Network Open, 2024)

