ダイエット中の食物繊維

最近ではカロミルなどの食事記録アプリを使っている方が増えてきましたが、「食物繊維が足りない」と感じている方も多いのではないでしょうか。

実際、日本人の多くが、厚生労働省の目標摂取量(男性は1日21g以上、女性は18g以上)に届いていないというデータもあります。食物繊維は腸内環境を整えるだけでなく、血糖値やコレステロールのコントロール、満腹感を得るためにも非常に重要です。

食物繊維には2種類あります。

まず、水に溶ける「水溶性食物繊維」は、腸内でゼリー状になり、糖や脂質の吸収をゆるやかにする働きがあります。ナトリウムやコレステロールの排出にも役立ちます。多く含まれる食品は、わかめ、昆布、こんにゃく、果物(りんごや柑橘類)、もち麦、オートミールなどです。わかめ入りの味噌汁や、もち麦ごはん、果物入りヨーグルトなどが手軽でおすすめです。

次に、水に溶けない「不溶性食物繊維」は、便のカサを増やして腸を刺激し、排便を促します。ごぼう、きのこ類、豆類、玄米、切り干し大根などに多く含まれています。根菜の味噌汁や、きのこソテー、おからを使った料理が取り入れやすいでしょう。

この2つの食物繊維は、それぞれ働きが異なるため、どちらか一方に偏らずバランスよく摂ることが大切です。

以下は、私が指導でもよくおすすめしている、日常で摂りやすい食物繊維が豊富な食材です。

もち麦ごはん

オートミール

乾燥わかめや昆布を入れた味噌汁

納豆、大葉、オクラなどのネバネバ系

切り干し大根の煮物

ドライフルーツ(あんず、いちじくなど)

きのことごぼう入りの炊き込みご飯

皮つきのさつまいも

無糖ココアや青汁などの食物繊維飲料

豆入りスープや具沢山の味噌汁

特におすすめは、主食を白米からもち麦ごはんや玄米に変えることです。これだけでも摂取量が大きく変わります。

また、サラダに海藻やきのこを加える、冷凍野菜や乾物を常備しておくなど、日々の中で無理なく続けられる工夫が鍵になります。

ダイエット、便秘対策、生活習慣病予防のどれにおいても、食物繊維は「見えない土台」です。筋トレや運動と同じように、体の中から整えていきましょう。

小濱裕司(パーソナルトレーナー/小濱トレーニングジム代表)