リベルサスとジャディアンスを30日間飲んでも痩せなかった体験

私はBMIが肥満の判定に該当していたため、病院で診察を受け、リベルサスとジャディアンスを処方してもらったことがあります。

個人輸入や自己判断で入手したものではなく、処方された方法どおりに服用しました。

これは過去の体験であり、現在はどちらの薬も飲んでいません。

当時は食欲低下と減量を期待していましたが、私の場合は食欲がほとんど変わらず、体重も減りませんでした。

1.私が30日間続けた方法

病院からの指示に従い、次の方法で服用しました。

● 起床時、空腹の状態でリベルサスを1錠飲む

● コップ半分程度の水を使用する

● 服用後30分は飲食しない

● 30分経ってから食事をする

● ジャディアンスは夕食時に1錠飲む

● 2種類の服用を30日間続ける

しかし、期待していた次のような変化はありませんでした。

● 空腹感が弱くなる

● 少ない食事量で満足する

● 間食が減る

● 食べ物への興味が薄れる

● 自然に食事量が減る

30日後の体重も開始前と変わりませんでした。

2.リベルサスで食欲が低下する仕組み

リベルサスの有効成分はセマグルチドで、GLP-1受容体作動薬に分類されます。

一般的には「満腹中枢を刺激する」と説明されますが、一つの満腹スイッチを押すような単純な作用ではありません。

主な働きは次のとおりです。

● 血糖値に応じてインスリン分泌を促す

● グルカゴン分泌を抑える

● 食後早期の胃内容物の排出を遅らせる

● 食欲や食行動に関係する脳内ネットワークへ作用する

その結果、食事量や間食が減り、体重減少につながる場合があります。

2型糖尿病患者を対象とした小規模研究では、リベルサスを12週間服用した際の自由摂取エネルギー量がプラセボより38.9%少なくなり、平均体重は2.7kg減少しました。

ただし、解析対象は13人と少なく、標準的な朝食後の主観的な食欲評価では明確な差が確認されませんでした。リベルサスの食欲に関する研究

この結果からも、服用した全員が強い食欲低下を感じるわけではないことが分かります。

3.服用方法は間違っていたのか

リベルサスの電子添文では、次の方法が指定されています。

● 1日の最初の飲食前に服用する

● 空腹の状態で飲む

● 水の量は約120mL以下

● 服用後少なくとも30分は飲食やほかの内服薬を避ける

● 錠剤を割ったり、砕いたり、かんだりしない

私が行っていた方法は、病院からの指示に従ったものであり、電子添文に記載された基本的な服用方法ともほぼ一致していました。リベルサス電子添文

そのため、単純に「飲み方が悪かったから痩せなかった」とは判断できません。

なお、リベルサスは食事、水分量、ほかの薬、服用後の絶食時間などによって吸収量が変わりやすい薬です。正しく飲んでも、吸収量や食欲への反応には個人差があります。

4.ジャディアンスは食欲を抑える薬ではない

ジャディアンスの有効成分はエンパグリフロジンで、SGLT2阻害薬に分類されます。

腎臓で糖が血液中へ再吸収されるのを抑え、尿と一緒に糖を排出することで血糖値を下げます。

糖にはエネルギーが含まれているため、体重が減る場合もあります。しかし、ジャディアンスは食欲を直接抑える薬ではありません。

2型糖尿病患者を対象とした24週間の試験では、平均体重の変化率は次のとおりでした。

● ジャディアンス10mg:2.8%減少

● ジャディアンス25mg:3.2%減少

● プラセボ:0.4%減少

これは24週間の平均値であり、全員が同じように痩せたわけではありません。私の服用期間は30日間だったため、同じ結果を期待できるとは限りません。FDAジャディアンス添付文書

私は病院からの指示に従って夕食時に服用していました。日本の電子添文では朝食前または朝食後が基本ですが、服用時間は自己判断で変更せず、処方医の指示に従う必要があります。ジャディアンス電子添文

5.糖を尿へ出しても計算どおりには痩せない

2型糖尿病患者86人がエンパグリフロジン25mgを90週間服用した研究では、尿糖によるエネルギー損失は中央値で1日約206kcalと推定されました。

この数値だけで計算すると11kg以上の減量が予測されましたが、実際の平均体重減少は3.2kgでした。SGLT2阻害によるエネルギー収支の研究

尿中へ糖が排出されても、食事量の増加などでエネルギー損失が相殺される可能性があります。

ジャディアンスには食欲抑制作用がないため、食欲や食事量が変わらなければ、期待したほど体重が減らないケースがあっても不思議ではありません。

6.2種類を併用すれば「2倍痩せる」のか

リベルサスは食欲や食事量へ働きかける場合があり、ジャディアンスは尿中への糖排出を増やします。

作用が異なるため相互に補う可能性はありますが、「2倍の速さで痩せる」「体重が2倍減る」と証明されているわけではありません。

SGLT2阻害薬へGLP-1受容体作動薬を追加した臨床試験のメタ解析では、追加の平均体重減少は約1.6kgでした。併用療法に関するメタ解析

ただし、これはリベルサスとジャディアンスだけを30日間服用した研究ではありません。薬の種類、用量、期間が異なるため、個人の結果を予測する数字ではありません。

7.なぜ私の食欲と体重は変わらなかったのか

考えられるポイントはありますが、正確な原因は分かりません。

● リベルサスによる食欲低下を実感できなかった

● ジャディアンスは食欲抑制薬ではない

● 30日間は多くの体重評価試験より短い

● 尿糖によるエネルギー損失が食事で相殺された可能性がある

● 薬の用量、血糖値、HbA1c、腎機能などの情報が不足している

● 薬に対する反応には個人差がある

一方で、体重が減らなかったことだけを理由に、血糖値などへの作用もなかったとは判断できません。

8.副作用には注意が必要 ⚠️

リベルサスでは、吐き気、下痢、便秘、嘔吐、腹痛などの消化器症状が起こることがあります。嘔吐を伴う持続的な激しい腹痛や、強い便秘、腹部膨満がある場合は、膵炎や腸閉塞なども考慮して医療機関を受診する必要があります。

ジャディアンスでは、頻尿、口渇、脱水、尿路感染、性器感染などに注意が必要です。

さらに、血糖値がそれほど高くなくてもケトアシドーシスを発症する場合があります。

● 吐き気や嘔吐

● 腹痛

● 強い口渇

● 強い倦怠感

● 呼吸困難

● 意識の異常

このような症状がある場合は、直ちに医療機関を受診してください。

過度な糖質制限、食事摂取不足、感染症、脱水などは、ケトアシドーシスのリスクを高める可能性があります。運動で多く汗をかく人も注意が必要です。

病院の処方どおりに飲んでも痩せるとは限らない

私は病院で診察を受け、処方された方法どおりリベルサスとジャディアンスを30日間服用しました。

それでも食欲は収まらず、体重も変わりませんでした。

薬によって減量できる人がいる一方で、私のように食欲や体重に変化が出ないケースもあります。

なお、日本で承認されているリベルサスの適応は2型糖尿病です。ジャディアンスは2型糖尿病、慢性心不全、慢性腎臓病に使用される薬であり、どちらも肥満であれば誰でも使用できる減量薬ではありません。

病院で処方された場合でも、体重だけで効果を判断したり、自己判断で用量や服用時間を変更したりせず、検査値や副作用も含めて処方医の管理を受けることが大切です。

小濱裕司