「健康診断は毎年受けていますか?」
多くの方が会社や自治体の健康診断を受けていると思います。
そして結果が届いた時に、
「少し基準値を超えただけだから大丈夫」
「去年も同じくらいだったし様子見かな」
「特に症状ないから問題ない」
そんな風に思った経験はありませんか?
実は健康診断で本当に怖いのは、突然大きな異常が出ることではありません。
少しだけ悪い状態が何年も続くこと。
これが将来の糖尿病や心筋梗塞、脳卒中のリスクにつながることがあります。
健康診断で見るべき「ABC」とは?
糖尿病や動脈硬化のリスクを考える上で重要なのが、このABCです。
A=HbA1c(血糖の状態)
B=Blood Pressure(血圧)
C=Cholesterol(脂質)
簡単に言うと、
A:血糖が高い
B:血圧が高い
C:コレステロールや中性脂肪の異常
この3つです。
健康診断では別々の数字として表示されていますが、体の中ではそれぞれがつながっています。
血糖だけ悪い、血圧だけ悪いというより、複数が重なることで血管への負担は大きくなります。
これが将来の病気につながることがあります。
なぜ怖いのは「少しだけ悪い状態」なのか
例えば健康診断で、
「経過観察」
「生活習慣改善」
「再検査推奨」
と書かれていた経験はありませんか?
多くの人は、
「要治療じゃないから大丈夫」
と思ってしまいます。
しかし、ここに落とし穴があります。
高血圧も糖尿病も脂質異常症も、初期はほとんど症状がありません。
痛くもありません。
苦しくもありません。
そのため、
「疲れていただけかな」
「前の日に食べすぎたかな」
で終わってしまいます。
ところが体の中では少しずつ血管への負担が積み重なっています。
例えるなら、道路に小さなヒビが入っている状態です。
最初は問題ありません。
しかし放置すると少しずつ広がり、ある日大きな陥没が起きます。
血管も似ています。
小さな負担の積み重ねが何年も続くことが問題なのです。
「かくれ糖尿病」は症状がない
糖尿病というと、
「喉が渇く」
「体重が減る」
「尿が増える」
こうした症状を想像する方が多いかもしれません。
しかし初期段階では、ほとんど症状がありません。
健康診断で、
・空腹時血糖が少し高い
・HbA1cが少し上がっている
この段階で見つかる方が非常に多いです。
「まだ病気じゃないから」
と安心してしまいがちですが、この時期は生活習慣を見直すチャンスでもあります。
早い段階ほど改善しやすいからです。
実は危険な「20歳から10kg増」
健康診断ではよく、
「20歳時より10kg以上増えていますか?」
という項目があります。
これを軽く見ている方は意外と多いです。
しかし、この質問には意味があります。
大人になってからの体重増加は、内臓脂肪が増えている可能性があるからです。
内臓脂肪が増えると、
・血糖が上がりやすい
・血圧が上がりやすい
・脂質が悪化しやすい
という状態が起きやすくなります。
ただし注意点があります。
体重が10kg増えたから危険とは限りません。
筋トレによって筋肉量が増えた方は別です。
特に体重だけではなく、
・腹囲
・体脂肪率
・健康診断の数値
も合わせて見ることが大切です。
BMIが普通でも安心ではない
「体重は標準だから大丈夫」
と思っている方も要注意です。
最近は「隠れ肥満」と呼ばれる方も増えています。
体重は標準でも、
お腹まわりだけ脂肪が多い
筋肉量が少ない
という状態です。
健康診断では腹囲も確認しましょう。
目安として、
男性85cm以上
女性90cm以上
は内臓脂肪蓄積の可能性があります。
健康診断は「点」ではなく「流れ」で見る
これが非常に大切です。
1回の数値だけでは、本当の変化はわかりません。
例えば、
3年前 HbA1c 5.4
2年前 HbA1c 5.6
去年 HbA1c 5.8
今年 HbA1c 6.0
基準内でも、少しずつ上がっていることがあります。
だから健康診断は「今年だけ」ではなく、「過去数年分」を並べて見ることが大切です。
病院を受診する場合も、過去の結果を持参すると役立ちます。
医師も変化の流れが見えるためです。
健康は100点を目指さなくていい
ここが一番大切です。
急に毎日運動。
急に糖質ゼロ。
急に10kg減量。
これはほとんど続きません。
続かなければ意味がありません。
おすすめは本当に小さな改善です。
・夕食を30〜60分早める
・1日10分歩く
・寝る時間を少し早くする
・ジュースをお茶に変える
・エスカレーターではなく階段を使う
こういう小さな積み重ねの方が、実は将来を大きく変えます。
健康は短距離走ではありません。
マラソンです。
健康診断の結果を見て不安になる必要はありません。
ただし、見て見ぬふりもしないこと。
「少しだけ高い」は、「今なら間に合うサイン」かもしれません。
今年の健康診断結果、ぜひもう一度見返してみてください。

