肩のリハビリは全身から

肩の手術後に大切なのは筋力だけではありません

先日、肩の手術を経験された70代の方のパーソナルトレーニングを担当させていただきました。

手術から時間が経過していても、

「肩が上がりにくい」

「左右で動きが違う」

「姿勢が気になる」

「身体のバランスが悪い気がする」

このようなお悩みを抱えている方は少なくありません。

実際に身体の動きを確認すると、肩だけではなく、肩甲骨や背骨、骨盤などにも左右差が見られることがあります。

肩は単独で動いているわけではありません。

肩甲骨、胸郭、背骨、骨盤などが連動することで、初めてスムーズな動作が可能になります。

そのため、肩の動きが悪くなっている場合でも、原因が肩そのものだけとは限りません。身体全体のバランスが影響していることも多くあります。

トレーニングというと、

「筋力をつける」

「重い重量を持つ」

というイメージを持つ方も多いと思います。

しかし、このようなケースでは、まず身体を正しく動かせる状態を目指すことが重要です。

例えば、

・肩甲骨を前後に動かす運動

・胸を開くストレッチ

・背骨を丸めたり反らしたりする運動

・股関節の可動域を広げるストレッチ

・片脚立ちによるバランストレーニング

などを取り入れながら、身体全体の動きを整えていきます。

また、いきなり重い重量を扱うのではなく、

・椅子からの立ち座り

・片脚立ち

・かかと上げ

・つま先上げ

・横歩き

・段差昇降

・股関節周囲の筋力トレーニング

・軽負荷でのラットプルダウン

・軽負荷でのローイング

などを行い、日常生活で必要となる筋力やバランス能力の向上を目指していきます。

特に年齢を重ねるほど重要なのは、

「どれだけ重いものを持てるか」

ではありません。

大切なのは、

「安全に歩けること」

「転ばずに生活できること」

「痛みなく身体を動かせること」

です。

実際に、片脚で安定して立てない方は歩行時にも左右差が生じやすくなります。

また、股関節や胸郭の動きが悪くなることで、肩の動きにも悪影響を及ぼすことがあります。

そのため、肩のリハビリであっても肩だけを見るのではなく、全身を確認しながらトレーニングを進めていくことが大切です。

パーソナルトレーニングでは、単に筋肉を鍛えるだけではなく、

「なぜその動きができないのか」

「どこに左右差があるのか」

「どの動作で代償動作が起きているのか」

を確認しながら、その方に合わせたプログラムを作成しています。

身体の不調や左右差は、長年の生活習慣や身体の使い方の積み重ねによって生じていることが多く、一度で大きく改善するものではありません。

しかし、適切なストレッチやトレーニングを継続することで、身体は少しずつ変化していきます。

実際に、

「肩が以前より上がるようになった」

「歩くのが楽になった」

「姿勢が良くなったと言われた」

「片脚で立つのが安定してきた」

といった変化を感じる方も少なくありません。

年齢を重ねると身体の変化を感じやすくなりますが、だからこそ適切な運動が重要になります。

年齢を理由に諦める必要はありません。

筋力向上だけでなく、姿勢やバランス、柔軟性、動きやすさにも目を向けながら、自分の足で歩き続けられる身体づくりを目指していきましょう。