40代・50代からのテストステロンと筋トレの正しい関係

40代、50代になると、「以前より疲れが抜けにくい」「集中力ややる気に波が出る」と感じる方が増えてきます。気合や根性の問題と思われがちですが、体の中では実際に変化が起きています。そのひとつが男性ホルモンであるテストステロンの変化です。

テストステロンは、筋肉量の維持、骨の強さ、性機能、活力などに関わる重要なホルモンです。一般的には年齢とともに少しずつ低下していく傾向があります。研究では中年期以降、年間およそ1%前後ずつ下がっていくという報告が多く見られます。ただ、これはあくまで平均の話で、実際はかなり個人差があります。

運動習慣がある人、体脂肪が増えすぎていない人、しっかり睡眠が取れている人は、同年代でも数値が高く保たれていることがあります。逆に、運動不足、睡眠不足、強いストレスが続いている場合は、年齢以上に下がることもあります。年齢だけで決まるわけではなく、日々の積み重ねがかなり影響します。

筋力トレーニングは、このテストステロン環境を整えるうえで有効な方法のひとつです。特にスクワット、デッドリフト、ベンチプレス、ローイングのように、大きな筋肉を同時に使う種目では、トレーニング後にテストステロンが一時的に上がる反応が確認されています。

ここで誤解されやすいのですが、トレーニングをすればずっとホルモンが高い状態になるわけではありません。上昇はあくまで一時的です。ただ、トレーニングを継続することで筋肉量が維持され、体脂肪が減り、代謝状態が改善します。その結果として、ホルモンの働きやすい体内環境が整っていきます。

もうひとつ大切なのは、やりすぎないことです。トレーニングは強ければ強いほど良いわけではありません。回復が追いつかない状態が続くと、ストレスホルモンであるコルチゾールが増え、逆にテストステロンが下がることがあります。いわゆるオーバートレーニングの状態です。頑張りすぎがマイナスに働くのがトレーニングの難しいところでもあります。

健康づくりや体力維持を目的とする場合は、1回45〜60分程度、週2〜3回くらいの筋力トレーニングが現実的で続けやすい目安です。このくらいの頻度で、基本種目を中心にコツコツ積み重ねる方が、長い目で見ると結果につながります。

加えて、睡眠、食事、体脂肪のコントロール、過度な飲酒を避けることも、テストステロンの維持には重要です。トレーニングだけ完璧でも、ここが崩れると効果は大きく落ちます。

年齢を重ねると体は確かに変わります。ただ、トレーニングと生活習慣によって、その変化のスピードと幅はかなりコントロールできます。派手なことより、無理のない強度で、継続できる形を作ること。それが結局いちばん確実です。