減量中に筋力を落とさないトレーニング方法|筋肉を守りながら脂肪を減らす

減量中に筋力を落とさないトレーニング方法|筋肉を守りながら脂肪を減らす

減量中は体重が落ちる一方で、「以前より重量が重く感じる」「回数が伸びない」と悩むことがあります。

しかし、使用重量が落ちたからといって、筋肉が大幅に減ったとは限りません。減量中は摂取エネルギーや筋グリコーゲン、体内水分が減り、疲労も抜けにくくなるため、筋肉量が大きく変わっていなくても力を出しにくくなることがあります。

減量中のトレーニングで重要なのは、消費カロリーを増やすために種目やセット数を増やし続けることではありません。筋肉と筋力を維持するために必要な刺激を残し、回復できる範囲で継続することです。

私自身は減量中も重量をできるだけ維持する

私も現在、食事量をかなり抑えながら減量を進めています。同時に右肩の手術後からの復帰途中でもあり、セーフティーバースクワット、デッドリフト、ベンチプレスなどを、肩の状態に合わせて継続しています。

減量中は回数やセット数を減らすことはありますが、筋力を維持するため、扱う重量まで一律に落とさないようにしています。

現在でも、ベンチプレス180kg×1回、または160kg×5回を挙げる力はあります。ただし、160kg以上を扱うと手術した右肩に腫れや痛みが出ることがあるため、挙げられるかどうかとは別に、あえて160kg以上は持たないようにしています。

2026年8月21日(金)のベンチプレスも、最大152.5kgまでに留めました。その後は120kg×8回を2セット行い、クールダウンとして100kg×12回を1セット実施しました。

減量中でも一定の重量刺激は残しながら、回数とセット数を調整し、右肩への過度な負担を避ける構成です。高重量を挙げる能力があっても、身体の状態を無視して限界重量を扱う必要はありません。

減量中こそ筋力トレーニングを続ける

食事制限だけで体重を落とすと、脂肪だけでなく筋肉も失いやすくなります。筋力トレーニングは、身体に対して「この筋肉と筋力は必要である」と伝える重要な刺激です。

エネルギー不足と筋力トレーニングを扱ったメタ分析では、エネルギー不足は除脂肪量の増加を妨げやすい一方、筋力の向上には明確な悪影響が認められませんでした。

減量中でも、適切なプログラムを組めば筋力を維持できる可能性があります。ただし、減量前と同じトレーニング量を無理に続ける必要はありません。

重量を残し、トレーニング量を調整する

減量中に疲労が強くなった場合、最初からすべての重量を大幅に下げると、筋力を維持するための刺激まで弱くなることがあります。

主要種目では動作の質を保てる重量をできるだけ残し、回復が追いつかない場合は、補助種目やセット数から調整します。

基本的な考え方は次の通りです。

● ベンチプレス、スクワット、デッドリフトなどの主要種目を継続する

● すべてのセットで限界まで追い込まない

● 重量だけでなく、回数、セット数、動作の質も記録する

● 疲労が強い時は、補助種目やセット数を見直す

● 痛みがある場合は、種目、可動域、器具、頻度を調整する

● 自己ベスト更新より、筋力と技術の維持を優先する

カロリー制限中のトレーニング量を比較した研究では、高ボリュームが中程度のボリュームより除脂肪量の維持に明確に優れていたわけではありません。

減量中は、トレーニング量を増やせば増やすほど良いわけではありません。必要な刺激と回復のバランスが重要です。

使用重量の低下だけで筋肉量を判断しない

筋力は筋肉量だけで決まりません。次のような要素にも影響されます。

● 筋グリコーゲンと体内水分

● 睡眠時間と睡眠の質

● 前回までのトレーニング疲労

● 関節や筋肉の痛み

● フォームや動作の安定性

● 集中力や心理状態

● 体重変化によるブリッジや重心の変化

一度重量や回数が落ちただけで、筋肉が減ったとは判断できません。数週間にわたって複数種目の成績が低下し、見た目や身体計測にも変化があるかを確認する必要があります。

有酸素運動は補助として使う

有酸素運動でも消費エネルギーを増やせますが、減量の中心は食事管理と筋力トレーニングです。

有酸素運動を増やしすぎると、脚部や全身の疲労が蓄積し、筋力トレーニングの質が低下する場合があります。まずは日常の歩数や活動量を安定させ、必要に応じてウォーキング、坂道歩行、バイクなどを追加します。

高強度インターバルトレーニングは短時間で行えますが、疲労も大きくなります。筋力トレーニングの内容、体力、関節の状態、競技練習とのバランスを考えて選択します。

減量中に確認したい項目

体重だけでなく、次の項目を記録すると、トレーニングを調整しやすくなります。

● 主要種目の重量、回数、セット数

● 動作の安定性や挙上速度

● 睡眠時間と疲労感

● 関節や筋肉の痛み

● 毎日の体重と7日間程度の平均値

● ウエストや身体の見た目

持続する強い疲労、トレーニング能力の大幅な低下、睡眠や気分の変化、性欲低下、繰り返すけがや体調不良などがある場合は、食事を減らしすぎている可能性も考えられます。

単なる根性不足として扱わず、減量計画とトレーニング内容の両方を見直すことが必要です。

減量中は「最高記録」より「維持」を評価する

減量中は、常に自己ベストを更新できるとは限りません。体脂肪を落としながら、主要種目の筋力と技術を大きく崩さずに維持できていれば、質の高い減量といえます。

私自身も、減量中は回数やセット数を抑えながら、右肩に腫れや痛みが出ない範囲で重量刺激を残しています。単日の結果だけで判断せず、食事、疲労、睡眠、痛みを確認しながらトレーニングを継続しています。

減量の成功は、最も軽い体重になることではありません。必要な筋肉と能力を守りながら、目標とする体脂肪まで到達することです。

小濱トレーニングジムでは、初回体験からトレーニング歴、目標、既往歴、現在の身体の状態を確認し、一人ひとりに合わせたトレーニングを行っています。

参考文献

1. Garthe I, et al. Effect of two different weight-loss rates on body composition and strength and power-related performance in elite athletes.

2. Murphy C, Koehler K. Energy deficiency impairs resistance training gains in lean mass but not strength.

3. Roth C, et al. Resistance training volume does not influence lean mass preservation during caloric restriction in resistance-trained females.

4. Mountjoy M, et al. 2023 International Olympic Committee’s consensus statement on Relative Energy Deficiency in Sport.