トレーニング効果を高める食習慣|健康な体をつくる栄養の基本

筋力を高めたい、筋肉を増やしたい、体脂肪を減らしたい。どのような目的であっても、トレーニングと食事は切り離せません。

特別な食品を一つ取り入れるよりも、必要な栄養素を毎日の食事から安定して摂ることが、健康的な体づくりにつながります。

大切なのは、短期間だけ厳しい食事をすることではなく、自分の生活や運動量に合った食習慣を継続することです。

体づくりは食事全体のバランスで決まる

健康や体づくりを左右するのは、特定の食品だけではありません。

  • 1日の総摂取カロリー
  • たんぱく質の摂取量
  • 炭水化物と脂質のバランス
  • 野菜、果物、海藻、豆類などの摂取
  • 食事の回数と時間
  • 水分補給
  • 睡眠と休養
  • トレーニング量

これらが組み合わさって、体重、筋肉量、体脂肪、体調が変化します。

減量では、一定期間を通して摂取カロリーが消費カロリーを上回り続けないように調整することが基本です。

筋力向上や筋肥大では、十分なトレーニング刺激に加えて、たんぱく質とエネルギーを不足させないことが重要になります。

毎食たんぱく質を取り入れる

たんぱく質は、筋肉だけでなく、皮膚、髪、血液、内臓、酵素、ホルモンなどの材料になります。

トレーニングをしている人は、肉、魚、卵、乳製品、大豆製品などを組み合わせ、毎食たんぱく質を摂ることが基本です。

定期的に筋力トレーニングを行う人では、1日当たり体重1kgにつき1.4~2.0g程度のたんぱく質が一つの目安になります。

体重70kgの場合は、1日約98~140gです。

ただし、必要量はトレーニング内容、年齢、減量中か増量中か、体調などによって変わります。数字だけを追いかけるのではなく、食事内容や体の変化を見ながら調整します。

たんぱく質を確保しやすい食品

  • 鶏肉、豚肉、牛肉
  • 魚、エビ、イカ、貝類
  • 牛乳、ヨーグルト、チーズ
  • 納豆、豆腐、豆乳
  • プロテインパウダー

一度の夕食に集中させるより、朝食、昼食、夕食など複数回に分けて摂取する方が、必要量を確保しやすくなります。

納豆や大豆製品を上手に取り入れる

納豆は、たんぱく質、食物繊維、ビタミンK、ミネラルなどを含む、栄養価の高い食品です。

価格が比較的安く、調理の手間も少ないため、朝食や夕食に取り入れやすい点も大きな長所です。

豆腐、豆乳、枝豆なども、植物性たんぱく質を補う食品として利用できます。

肉や魚などの動物性食品だけに偏らず、大豆製品を組み合わせることで、食事内容に変化をつけられます。

なお、ワルファリンを服用している人は、納豆に含まれるビタミンKが薬の作用に影響するため、納豆を避ける必要があります。

プロテインは不足分を補うために活用する

プロテインパウダーは、たんぱく質を手軽に補給するための食品です。

食事だけで必要量を確保できている人には必須ではありませんが、次のような場合に役立ちます。

  • 忙しくて十分な食事時間を取れない
  • 朝食のたんぱく質が少ない
  • トレーニング後すぐに食事ができない
  • 脂質を抑えながらたんぱく質を増やしたい
  • 食事量が少なく、必要量を確保しにくい
  • 減量中に筋肉量を維持したい

ホエイ、ソイ、カゼインなど種類によって特徴は異なりますが、最も重要なのは、1日全体で必要なたんぱく質を確保できているかどうかです。

健康な成人が適切な量を利用する場合、プロテインが直ちに腎臓や肝臓を傷めるという明確な根拠はありません。

ただし、慢性腎臓病などでたんぱく質制限を指示されている場合は、医師や管理栄養士による個別の管理が必要です。

炭水化物はトレーニングのエネルギー源

筋肉をつけたい人や体脂肪を減らしたい人でも、炭水化物を極端に避ける必要はありません。

炭水化物は、筋力トレーニング、ランニング、スポーツなどで使われる重要なエネルギー源です。

炭水化物が不足すると、

  • トレーニング重量が落ちる
  • 集中力が低下する
  • 疲労が抜けにくくなる
  • トレーニング量を確保できない
  • たんぱく質がエネルギーとして使われやすくなる

といった問題が起こることがあります。

主な炭水化物源としては、米、パン、麺、オートミール、芋類、果物などがあります。

減量中は炭水化物を完全に抜くのではなく、運動量に合わせて総摂取量を調整することが基本です。

特にトレーニング前後は、消化の負担にならない範囲で炭水化物とたんぱく質を組み合わせると、運動の質と回復を支えやすくなります。

脂質は種類と摂取量を考える

脂質は、ホルモンの材料や細胞膜の構成、脂溶性ビタミンの吸収などに必要です。

そのため、脂質を極端に制限する食事も適切ではありません。

一方で、脂質は1g当たり9kcalと高カロリーなので、量が増えると総摂取カロリーも増えやすくなります。

魚、ナッツ、オリーブ油などに含まれる不飽和脂肪酸を取り入れながら、肉の脂身、バター、生クリームなどに多い飽和脂肪酸を摂り過ぎないようにします。

また、長期間保存した油や、繰り返し高温で加熱した油は酸化や分解が進みます。

次のような変化がある油は使用を控えます。

  • 嫌なにおいがする
  • 色が濃くなっている
  • 粘りが強い
  • 加熱すると煙が出やすい
  • 泡が消えにくい

油は種類だけでなく、保存状態、加熱温度、使用回数、摂取量まで含めて考えることが大切です。

野菜、果物、海藻、きのこ類を組み合わせる

野菜や果物には、ビタミン、ミネラル、食物繊維などが含まれています。

一つの野菜だけに偏らず、色や種類の異なる食品を組み合わせることで、幅広い栄養素を摂取しやすくなります。

旬の食材は、味がよく、価格も安くなりやすいため、日常の食事に取り入れる価値があります。一部の野菜では、季節によって特定の栄養素が増えることも確認されています。

ただし、旬の食品だけですべての栄養素を補えるわけではありません。肉、魚、卵、大豆製品、穀類なども含め、食事全体に多様性を持たせることが重要です。

野菜ジュースは不足を補う目的で利用する

無加糖・無塩の100%野菜ジュースには、カリウムやカロテノイドなどが含まれています。

外食が続いた日や、十分な野菜を用意できない日の補助としては利用できます。

一方、野菜をそのまま食べる場合に比べると、食物繊維、咀嚼回数、満腹感が少なくなりやすいため、野菜の完全な代わりにはなりません。

基本は原形の野菜を食べ、足りない部分を野菜ジュースで補います。商品によって糖質や食塩量が異なるため、原材料表示と栄養成分表示も確認しましょう。

普段の水分補給は水や無糖のお茶を基本にする

砂糖入りの清涼飲料水、甘い缶コーヒー、エナジードリンクなどは、短時間で多くの糖質とカロリーを摂取しやすい飲み物です。

普段の水分補給は、水や無糖のお茶を基本にします。

スポーツドリンクは、長時間の運動や大量に汗をかく環境では、水分、糖質、電解質の補給に役立ちます。

ただし、運動時間が短い日や日常生活で水代わりに飲み続けると、必要以上に糖質を摂取する可能性があります。運動時間、発汗量、気温に合わせて使い分けることが大切です。

コーラなどの酸性飲料を頻繁に飲む習慣は、虫歯だけでなく歯の酸蝕にも関係します。飲んだ後は水で口をすすぎ、長時間口の中に含まないようにします。

食事回数は生活とトレーニング時間に合わせる

1日2食と3食のどちらが優れているかは、生活時間、運動量、総摂取カロリーによって変わります。

食事回数そのものよりも、

  • 1日の総摂取カロリー
  • たんぱく質の摂取量
  • 野菜や食物繊維の量
  • 1回の食事で食べ過ぎていないか
  • 夜遅い時間に集中していないか
  • 継続しやすい方法か

という点が重要です。

筋力向上や筋肥大を目指す人は、1日分のたんぱく質を一度に摂るより、3~5回程度に分ける方が確保しやすくなります。

朝食を食べるかどうかも、起床時間、仕事、空腹感、トレーニング時間に合わせて考えましょう。

昼食後の眠気を抑える食べ方

午後の眠気には、体内時計、前日の睡眠時間、昼食の量、血糖値の変動、午前中の疲労などが関係します。

昼食後の眠気が強い場合は、次の方法を試します。

  • 前日の睡眠時間を確保する
  • 昼食を食べ過ぎない
  • 丼物や麺類だけで済ませない
  • 肉、魚、卵、大豆製品などを加える
  • 野菜や海藻類を組み合わせる
  • 食後に短時間歩く
  • 必要に応じて短時間の昼寝を取り入れる

昼食の量を極端に減らすよりも、炭水化物だけに偏らない食事を意識することが大切です。

ゆっくり食べる習慣を身につける

食べる速度が速いと、満腹感を得る前に必要以上の量を食べやすくなります。

ゆっくり食べるためには、

  • 一口の量を小さくする
  • よく噛んでから飲み込む
  • ときどき箸を置く
  • 食事時間を確保する
  • スマートフォンを見ながら食べない

といった方法があります。

食べる速度を落とすことは、無理な食事制限をせずに摂取量を整える方法の一つです。

健康食品やサプリメントは目的を明確にする

健康食品やサプリメントは、通常の食事を補う目的で利用します。

商品を取り入れるだけで、食べ過ぎや運動不足を帳消しにできるわけではありません。まずは毎日の食事内容を整えることが優先です。

一方で、食事だけでは不足しやすい栄養素を補う目的では役立つ場合があります。

  • 妊娠を計画している女性の葉酸
  • 鉄欠乏が確認された人の鉄
  • 完全菜食の人のビタミンB12
  • 日光を浴びる機会が少ない人のビタミンD
  • 食事量が減っている高齢者
  • 医師から不足を指摘された栄養素

特に鉄欠乏性貧血では、月経過多、消化管出血、吸収障害などが隠れている可能性があります。自己判断で長期間摂取するのではなく、原因を確認することが大切です。

飲酒量は少ないほど健康リスクを抑えられる

飲酒時に水を挟むことは、飲酒速度を落とし、脱水を防ぐために役立ちます。

ただし、水を飲んでもアルコールによる健康への影響がなくなるわけではありません。

また、1週間の平均量を抑えていても、一度に大量に飲むと、急性アルコール中毒、転倒、事故、不整脈などの危険性が高まります。

飲まない日を設け、1回の飲酒量を増やさないことが重要です。

小濱トレーニングジムが大切にしている食事の考え方

体づくりでは、極端な食事法よりも、基本を継続することが結果につながります。

  • 毎食たんぱく質を取り入れる
  • トレーニング量に合った炭水化物を摂る
  • 脂質は種類と量を考える
  • 野菜、果物、海藻、豆類などを組み合わせる
  • 普段の水分補給は水や無糖のお茶にする
  • プロテインは不足分を補う目的で利用する
  • 健康食品だけに頼らない
  • 食べる速度と総摂取量を管理する
  • 睡眠と休養も確保する

筋力トレーニングの効果は、トレーニング中だけに決まるものではありません。

トレーニングで体に適切な刺激を与え、食事で必要な栄養を補い、睡眠によって回復させる。この積み重ねによって、筋力、筋肉量、体力、健康状態は少しずつ変化していきます。

特別な食品に頼るのではなく、自分の目的と運動量に合った食事を継続することが、健康的で強い体をつくる基本です。

主な参考資料