アルコールとダイエット・健康の関係|飲酒が体に与える影響とは?
はじめに
お酒を飲む習慣がある方の中には、「禁酒すると痩せる」「お酒を飲むと太る」といった話を聞いたことがある方も多いのではないでしょうか? しかし、アルコールとダイエットの関係について、正しい知識を持っている人は意外と少ないものです。
パーソナルトレーナーの立場から、「アルコールがダイエットや健康に与える影響」 について、科学的根拠に基づいて解説します。
アルコールとダイエットの関係
「お酒を飲むと太る」と言われる理由は、主に以下の4つが関係しています。
① アルコールはカロリーが高い
アルコール1gあたりのカロリーは7kcalと、炭水化物(4kcal/g)やタンパク質(4kcal/g)よりも高く、脂質(9kcal/g)に次ぐエネルギーを持っています。
お酒の種類
1杯あたりのカロリー(目安)
ビール(500ml)
約200kcal
チューハイ(350ml・7%)
約150~200kcal
日本酒(1合 180ml)
約190kcal
ワイン(120ml)
約90kcal
ウイスキー(30ml・ストレート)
約70kcal
カロリーを気にせずに飲み続けると、摂取エネルギーが増えてしまい、消費カロリーを上回ると脂肪として蓄積される ことになります。
② アルコールの分解が優先される
体内に入ったアルコールは、「優先的に分解・代謝される」 ため、他の栄養素(脂質や糖質)の処理が後回しになります。
アルコールの代謝プロセス:
1. 胃(20%)と小腸(80%)で吸収される
2. 血液に入り、肝臓へ運ばれる
3. 肝臓で「アセトアルデヒド」→「酢酸」→「水+二酸化炭素」に分解
4. この間、脂肪の分解はストップ
つまり、お酒を飲むと肝臓がアルコールの分解を最優先するため、脂肪の燃焼が抑えられ、体脂肪が蓄積しやすくなる のです。
③ 飲酒による食欲増進
アルコールには 食欲を増進させる作用 があります。これは、「グレリン」という食欲を刺激するホルモンの分泌が増えるため です。
また、アルコールを摂取すると、脳の抑制機能が低下し、「つい食べ過ぎてしまう」「カロリーの高いおつまみを選んでしまう」といった行動を引き起こしやすくなります。
特に注意が必要なおつまみ
• 揚げ物(唐揚げ、フライドポテト)
• チーズやナッツ(高脂質)
• ラーメン、締めのご飯(高糖質)
おすすめのおつまみ
• 刺身(高タンパク・低脂質)
• 豆腐や納豆(植物性タンパク質)
• 野菜スティック(低カロリー)
お酒を飲む際は、おつまみの選び方にも注意が必要です。
④ 睡眠の質を下げる
「お酒を飲むとよく眠れる」と思われがちですが、実際には アルコールは睡眠の質を低下させる ことがわかっています。
アルコールを摂取すると:
• 深い睡眠(ノンレム睡眠)が短くなる
• 夜中に目が覚めやすくなる
• 朝の疲労感が増す
これにより、成長ホルモンの分泌が低下 し、筋肉の修復や脂肪燃焼の効率が下がってしまいます。
禁酒するとどうなる?
1週間で期待できる変化
• 体重が減る(むくみ解消)
• 睡眠の質が向上
• 肝臓の機能が回復し始める
• 食欲がコントロールしやすくなる
1ヶ月で期待できる変化
• 体脂肪が減少しやすくなる
• 肌の調子が良くなる
• 胃腸の働きが改善される
• エネルギーレベルが向上
アルコールを控えることで、ダイエットだけでなく健康面でも多くのメリットがあります。
お酒とうまく付き合うためのポイント
「どうしてもお酒を楽しみたい!」という方は、以下のポイントを意識しましょう。
① 飲酒量をコントロール
厚生労働省のガイドラインでは、1日あたりの適切なアルコール摂取量は「純アルコール20g」 とされています。
種類
目安量(アルコール20g)
ビール
500ml(中ジョッキ1杯)
チューハイ(7%)
350ml(1缶)
日本酒
180ml(1合)
ワイン
120ml(グラス1杯)
毎日の飲酒を避け、週2~3日は休肝日を設けることが大切 です。
② お酒の種類を選ぶ
カロリーや糖質を抑えるために、蒸留酒(焼酎・ウイスキー・ウォッカ)を選ぶのが◎。
• 太りにくいお酒:ハイボール、焼酎の水割り
• 太りやすいお酒:ビール、甘いカクテル、日本酒
③ 飲む前に食事をする
空腹時に飲酒すると、アルコールの吸収が速まり、血糖値が急上昇 します。飲む前に タンパク質や食物繊維を含む食事をとる ことで、吸収を穏やかにすることができます。
まとめ
• アルコールは高カロリーで、脂肪の燃焼を妨げる
• 飲酒すると食欲が増し、カロリー過多になりやすい
• 睡眠の質を下げ、ダイエットに悪影響を及ぼす
• 禁酒すると1週間~1ヶ月で体調やダイエット効果が実感できる
• お酒を楽しみながらダイエットするには「量・種類・おつまみ」を工夫することが重要
飲酒の習慣を見直し、健康的なライフスタイルを目指しましょう!