筋肥大には「負荷と回数」の組み合わせが重要

千葉県木更津市のパーソナルトレーニングジム「小濱トレーニングジム」代表、パーソナルトレーナーの小濱裕司です。

筋肉を大きくするために重視したいのは、自分の筋力に合った負荷を選び、その負荷で限界に近い回数まで反復することです。

使用重量と反復回数は、組み合わせて考えます。同じ重量でも、その人の筋力によって難しさは変わります。また、同じ10回でも、終了時にどれほど余裕があるかでトレーニングの内容は異なります。

負荷は「何kgか」に加えて、自分にとってどのくらいの重さかを確認します。

トレーニング経験者49人を対象にした12週間の研究では、次の条件を比較しました。

  • 軽い重量を使い、20〜25回程度を限界まで行う。
  • 重い重量を使い、8〜12回程度を限界まで行う。

どちらの条件でも筋線維の断面積が増加し、筋肥大に有意な群間差はありませんでした。経験者でも、負荷に応じた回数を限界まで行うことで、軽い重量を筋肥大に活用できることが示されています。Mortonら・2016年

さらに、男性30人を対象にした別の12週間の研究では、1回だけ挙げられる最大重量の80%を使う条件で、20%を使う条件より腕と太ももの筋断面積の増加が大きくなりました。筋肥大を目指す際は、反復回数とともに、負荷の大きさも重要な検討項目です。Laseviciusら・2018年

こうした研究を踏まえ、種目や現在の筋力に合わせて重量を選び、その重量で十分な刺激を狙える回数を設定します。

その際の判断材料になるのが、RIR(レップス・イン・リザーブ)です。セット終了時に、同じフォームと可動域で「あと何回できたか」という余裕を表します。

例えば、10回行ったあとに2回できる余裕があればRIR2、10回できる余裕があればRIR10です。「10回できた」という記録に、この余裕を加えることで、負荷設定をより具体的に振り返れます。

2024年のメタ解析でも、セットを限界に近いところで終えるほど、筋肥大が大きくなる傾向が報告されています。使用重量・反復回数・終了時の余裕を合わせて確認することが、筋肥大を狙うトレーニングの組み立てに役立ちます。Robinsonら・2024年

私の場合、自重の懸垂でも、限界に近い回数まで行えば筋肥大を狙えます。加重懸垂では、追加する重量に合わせて回数を設定します。どちらも、同じフォームと可動域で反復し、終了時の余裕を確認することが大切です。

例えば、同じフォームで30回が限界となる条件なら、10回で止めた場合はRIR20、28回まで行った場合はRIR2になります。同じ自重懸垂でも、どこまで反復したかによって限界への近さが変わります。

「あと1〜2回できる」という余裕を残す方法も、筋肥大を狙う選択肢になります。

トレーニング経験者18人を対象にした8週間の研究では、レッグプレスとレッグエクステンションをRIR1〜2で止めた条件でも、限界まで行った条件と同程度の太ももの筋肥大が得られました。運動直後の疲労は、RIR1〜2で止めた条件のほうが小さくなりました。Refaloら・2024年

このような設定も活用しながら、種目や目的に合わせて負荷と回数を調整します。RIRは本人の見積もりなので、重量・回数・フォームの記録と合わせて評価します。

小濱トレーニングジムでの指導では、次の点を重視します。

  • 現在の筋力に合った負荷を選ぶ。 目標とする回数を、設定したフォームと可動域で行える重量を確認します。
  • 回数と終了時の余裕を記録する。 同じ重量・回数でも余裕が増えていれば、負荷設定を見直す材料になります。
  • 体の変化に合わせて内容を調整する。 重量や回数を少しずつ調整し、その都度、動作と体調を確認します。

セット数や頻度、回復状況も含めてトレーニング全体を整えながら、一人ひとりの能力と目標に合った負荷・回数を設定します。