筋トレ中の意識の向け方 内的フォーカスと外的フォーカスの使い分け

千葉県木更津市のパーソナルトレーニングジム「小濱トレーニングジム」代表、パーソナルトレーナーの小濱裕司です。

ベンチプレスで「胸の筋肉を意識する」ときと、「バーを押し上げる」とき。同じ種目でも、意識を向ける対象が変わります。

この違いを表すのが、内的フォーカスと外的フォーカスです。筋肉の感覚を確かめる、フォームを整える、力を発揮するなど、そのときの目的に合わせて使い分けることが大切です。

1.内的フォーカスと外的フォーカスの違い

🔹 内的フォーカス

自分の筋肉や関節、身体の動きに注意を向けることです。

「胸の筋肉の収縮を感じる」「膝と股関節を伸ばす」「肘を下へ引く」などが当てはまります。

🔸 外的フォーカス

動作によって道具や周囲にどのような働きかけをするかに注意を向けることです。

「バーを押し上げる」「床を押す」「ボールを目標へ飛ばす」などが代表例です。

区別のポイントは、どこに注意を向けているかです。全身を使う運動でも、肘や膝の動きに意識を向ければ内的フォーカスになります。

2.内的フォーカスのメリットと注意点

内的フォーカスは、確認したい身体の部分を具体的に示せることが特徴です。

フォームの一部分を修正したいときや、狙った筋肉の感覚を確かめたいときに取り入れられます。

ベンチプレスの研究では、大胸筋や上腕三頭筋を意識することで、軽度から中程度の負荷で対象筋の筋電図活動が増えた例があります。ただし、筋電図活動が増えたことと、長期間の筋肥大が大きくなることは分けて考える必要があります。

注意したいのは、意識する項目を増やしすぎることです。

胸、肘、肩、腹部、足と、一度に多くの部分を確認しようとすると、動作全体への集中が難しくなる場合があります。

修正点を絞り、実際の動きも確認しながら使います。

3.外的フォーカスのメリットと注意点

外的フォーカスは、「押す」「引く」「持ち上げる」といった動作の目的を、短い言葉で示せることが特徴です。

身体の各部分を細かく考えるよりも、道具や床への働きかけを意識する方が動きやすい場合があります。

筋力に関する研究の統合では、その場で発揮する力は外的フォーカスが有利という結果が報告されています。一方、長期間トレーニングした後の筋力向上は、全体の解析では明確な差が認められていません。

外的フォーカスを使う際も、姿勢や可動域の確認は必要です。

例えば、バーが上がったとしても、予定より動作が浅くなっていれば、同じ条件で挙上できたとは評価できません。

動作の結果とフォームの両方を見ます。

4.機能改善から筋力づくり、競技パフォーマンスへ

目的別に整理すると、次のような使い分けが考えられます。

🩹 リハビリ:必要な身体の動きを確認する

関節や筋肉の動きを確認する場面では、内的フォーカスを取り入れます。

動かしたい部分に注意を向け、必要な動きを確かめるために使います。

🌿 機能改善:身体の使い方を整える

呼吸や姿勢、関節の動かし方などを確認するために、内的フォーカスを活用します。

例えば、「股関節を曲げ伸ばしする」「腹部の緊張を保つ」といった意識です。

🏋️ 基礎・ストレングス:動作を整えながら力をつける

基礎的な筋力づくりでは、内的フォーカスと外的フォーカスを使い分けます。

ストレングスは、大きな力を発揮する能力です。

身体の使い方を確認するときは内的フォーカス、決めた動作で力を発揮するときは外的フォーカスを取り入れるなど、両方をつなぐ段階として考えられます。

⚡ パワー系:素早く力を伝える

パワーは、力と動く速さの両方に関わります。

床や道具への働きかけを意識する外的フォーカスを活用し、素早く力を伝えるという目的に合わせます。

🏆 競技パフォーマンス:身につけた力を結果につなげる

跳ぶ高さ、ボールの行き先など、達成したい結果に向けて外的フォーカスを活用します。

例えば、ジャンプなら「目標の高さに届く」、投球なら「狙った場所へ投げる」といった意識です。

スクワットで考えると、軽い重量で膝や股関節の動きを確認し、立ち上がる際は「床を押す」と意識する方法があります。さらにジャンプの練習では、目標の高さに注意を向ける方法へつなげられます。

この整理は、目的に応じて指導を考えるための目安です。

リハビリでも、床の目印や道具を使う外的フォーカスが役立つ場合があります。身体の状態と課題に合わせて選ぶことが大切です。

5.ベンチプレスでは胸の感覚とバーへの力を使い分ける

🔹 内的フォーカス

「胸の筋肉の収縮を意識する」

🔸 外的フォーカス

「バーを押し上げる」

胸の感覚を確認する練習では、内的フォーカスが選択肢になります。決めたフォームで挙上する練習では、バーへの働きかけを意識する方法を試せます。

どちらの場合も、握りや手首の位置、肩周辺の動き、身体を支える姿勢を併せて確認します。

胸を意識することと、動作を支える部分を整えることは両立できます。

6.スクワットでは関節の動きと床への働きかけを使い分ける

🔹 内的フォーカス

「膝と股関節を伸ばす」

🔸 外的フォーカス

「床を押す」

フォームを確認する場面では、膝や股関節をどう動かすかを具体的に伝えます。動作を理解したうえで、立ち上がる際に「床を押す」という意識を取り入れる方法があります。

床への力の伝え方を意識しながら、しゃがむ深さや身体の傾きも確認します。

本人が感じる動きやすさと、実際のフォームを照らし合わせて判断します。

7.デッドリフトでは身体の準備と挙上動作をつなげる

🔹 内的フォーカス

「股関節の曲げ伸ばしを意識する」

「腹部の緊張を保つ」

🔸 外的フォーカス

「床を押してバーを持ち上げる」

軽い重量で身体の位置や動きを確認し、実際の挙上ではバーや床への働きかけに集中する方法があります。

ヘックスバーを使う場合も、意識の向け方という点では同じ考え方を取り入れられます。

動作中は、姿勢やバーの軌道を確認します。「持ち上げる」という目標に加えて、設定したフォームで繰り返せているかを評価します。

8.懸垂では背中の感覚とバーへの力を使い分ける

🔹 内的フォーカス

「広背筋の収縮を意識する」

「肘を下へ引く」

🔸 外的フォーカス

「バーを下に引き下げるつもりで力を加える」

バーは固定されていますが、ここではバーに加える力をイメージします。

背中の感覚を確かめる練習と、バーへの働きかけに集中する練習を比べると、自分に合う言葉を見つける手がかりになります。

回数だけでなく、反動の大きさや可動域、肩周辺の動きも確認します。補助を使う場合も、同じ条件で比べることが大切です。

9.筋肥大を目指すときも、感覚と実際の変化を確認する

狙った筋肉を意識する方法には、筋肥大で有利な結果が出た研究もあります。

トレーニング未経験の若い男性を対象とした8週間の研究では、肘を曲げる筋肉の厚さの増加が内的フォーカス群で大きくなりました。一方、太ももの前側では同様の差は認められませんでした。

この結果から、筋肉を意識することは一つの選択肢になります。ただし、ベンチプレス、スクワット、デッドリフト、懸垂のすべてで、内的フォーカスが筋肥大に優れるかはわかっていません。

効いている感覚に加えて、扱う重量や回数、可動域、継続後の身体の変化も確認します。

また、外的フォーカスの優位性については、研究の公表され方の偏りを考慮すると、平均的な差が小さくなるという再解析もあります。

一人ひとりの反応を確かめながら、目的に合う方法を選びます。

10.目的に合った声かけでトレーニングを進める

実際の練習では、まず確認したいことを一つに絞ります。

✅ フォームの一部分を修正したい

✅ 狙う筋肉の感覚を確かめたい

✅ 決めた動作で力を発揮したい

目的を整理すると、意識の向け先を選びやすくなります。

声かけを変えて比べるときは、重量や可動域、休憩などの条件をできるだけそろえます。その場での動きやすさに加えて、次の練習でも同じ動作を再現できるかを確認していきます。

小濱トレーニングジムでは、お客様の目標や身体の状態に合わせて、種目、負荷、フォーム、意識の向け方を調整します。

基礎的な筋力づくりからボディメイク、スポーツのパフォーマンス向上まで、一人ひとりに合わせたパーソナルトレーニングを行います。

皆様のご利用をお待ちしております。