最近の美肌ブームはすさまじく、化粧品、美容医療、サプリメントなど、肌をきれいにするための情報を目にしない日はありません。
恥ずかしながら、以前の私は日焼け止めとはほぼ無縁の生活を送っていました。
ところが、年齢を重ねるにつれてシミや肌の色むらが一気に気になるようになり、
「もっと早く紫外線対策をしておけばよかった……」
と後悔したものです。
1年ほど前、初めてシミ取りの施術を受けに行ったところ、
「これは普通のシミではなく、肝斑ですね」
と告げられました。
それから説明を受け、これまでに2回ほど施術を受けていますが、そこで痛感したのが、
肌は、外側からのスキンケアだけで作られるものではない
ということです。
紫外線から肌を守ることはもちろん大切です。
しかし、それと同じように、
- 🍽️ 食事
- 😴 睡眠
- 🏋️♀️ 運動
といった毎日の習慣も、肌の状態を支える重要な土台になります。
🌿当ジムに「肌がきれいな人」が多い理由
当ジムには、男女を問わず肌のきれいなお客様がたくさんいらっしゃいます。
女性のお客様にスキンケアについて聞いてみると、意外にも、
- 「高価な化粧品を何種類も使っているわけではない」
- 「日焼け止めくらいしか塗っていない」
という方が少なくありません。
その一方で、多くの方に共通しているのが、
たんぱく質を意識した食事を続け、定期的に筋力トレーニングを行っている
という点です。
もちろん肌質には、遺伝、年齢、ホルモン、紫外線、睡眠など、さまざまな要因が関係します。
しかし近年、筋トレが筋肉だけでなく、皮膚の弾力や真皮の構造にも良い影響を与える可能性が研究で示されています。
🏋️♀️筋トレが肌の弾力と真皮をも変える
2023年に発表された、日本の興味深い研究をご紹介します。
この研究では、運動習慣のない41〜59歳の健康な女性61人を、
- 有酸素運動グループ
- 筋力トレーニンググループ
の2つに分け、週2回の運動を16週間行いました。
筋力トレーニングでは、次の6種目を各10回×3セット実施しています。
- レッグカール
- レッグエクステンション
- アームカール
- ローイング
- ショルダープレス
- チェストプレス
負荷は段階的に引き上げられ、最終的には75〜80%RM程度のしっかりとした強度で行われました。
🔍16週間後に確認された変化
16週間後には、両グループで、
- 頬の皮膚弾力性
- 上部真皮の構造を示す指標
に改善が見られました。
さらに、筋力トレーニンググループでは、加齢によって薄くなりやすい真皮の厚さにも良い変化が確認されました。
真皮は、肌のハリや弾力を支える、
- コラーゲン
- ヒアルロン酸
- プロテオグリカン
などが存在する重要な部分です。
この研究では、トレーニング後の血液を使って皮膚の線維芽細胞を培養したところ、コラーゲンやヒアルロン酸合成酵素などに関わる複数の遺伝子発現にも変化が見られました。
つまり、筋トレによって変化する血液中の因子が、筋肉だけでなく、皮膚を支える細胞環境にも働きかけている可能性があるのです。
✨全身を動かすことが、若々しさの鍵
プロテインを欠かさず、長年にわたって本格的な筋力トレーニングを続けている、今年47歳の私の主人も、実年齢より若く見られることが多いです。
重い重量を挙げているときは、表情筋までフル稼働しています😆
ただし、研究で注目されているのは、単に「顔の筋肉を動かすこと」ではありません。
全身の大きな筋肉に適切な負荷をかけることで体内にさまざまな生理反応が起こり、その影響が皮膚にも及ぶと考えられています。
また、若々しい印象は肌だけで決まるものではありません。
- 筋肉量が保たれている
- 姿勢が整っている
- 動作に力強さがある
- 健康的な体形を維持している
こうしたことも、見た目の若々しさにつながります。
肌と身体を別々に考えるのではなく、全身を整えていくことが大切です。
🥚たんぱく質は「肌と筋肉」に共通する材料
筋トレと美肌をつなぐうえで欠かせないのが、たんぱく質です。
筋肉の主な材料がたんぱく質であるのと同様に、皮膚のコラーゲンやケラチンもたんぱく質から作られています。
つまり、筋肉と肌はどちらも、食事から摂取したアミノ酸を材料にして、日々作り替えられているのです。
たんぱく質は、次のような食品から摂ることができます。
- 🥩 肉
- 🐟 魚
- 🥚 卵
- 🥛 乳製品
- 🫘 大豆製品
まずは食事から必要量を摂ることが基本ですが、食事だけでは不足しやすい場合にはプロテインが便利です。
プロテインは、単なる「筋肉を大きくするための飲み物」ではありません。
身体を構成するたんぱく質を、無理なく補うための心強い食品
なのです。
主人がプロテインを欠かさないのも、1日を通したたんぱく質摂取量をしっかり確保するためです。
💡コラーゲンペプチドという選択肢
肌の弾力を目的とした栄養補助としては、「コラーゲンペプチド」も研究されています。
35〜55歳の女性を対象とした試験では、8週間の摂取によって皮膚弾力性の改善が確認されています。
ただし、コラーゲンペプチドは、通常のたんぱく質の代わりになるものではありません。
まずは、
- 肉
- 魚
- 卵
- 大豆製品
- 乳製品
- ホエイプロテイン
などから、必須アミノ酸を含むたんぱく質をしっかり補うことが基本です。
そのうえで、肌を意識する場合の「追加の選択肢」として取り入れるのが適切です。
☀️外側からの「日焼け止め」× 内側からの「筋トレ」
美肌づくりにおいて、日焼け止めと筋トレは役割が異なります。
☀️日焼け止め
紫外線による光老化や、色素沈着の悪化を防ぐための「外側からの対策」です。
🏋️♀️筋トレ
全身の筋肉に刺激を与え、皮膚の構造に関わる反応を引き出す「内側からの取り組み」です。
ある大規模な無作為化比較試験では、日焼け止めを日常的に使用したグループは、必要なときだけ使用したグループと比べて、4年半後の皮膚老化の進行が24%少ないという結果が出ています。
外側は日焼け止めで守り、内側は食事と筋トレで支える。
この両輪を続けることが、年齢を重ねても健康的で若々しい肌と身体を保つための近道です。
🌸美肌と身体づくりを進める5つの習慣
最後に、美肌と健康的な身体を同時に目指すための5つの習慣をご紹介します。
- ☀️ 日焼け止め・帽子・衣類で紫外線を防ぐ
- 🍽️ 毎日の食事やプロテインで必要なたんぱく質を確保する
- 🏋️♀️ 適切な負荷による全身の筋力トレーニングを続ける
- 😴 睡眠と休養をしっかり確保する
- 🏥 シミや肝斑は自己判断せず、医療機関で確認する
筋トレは、ボディラインを整えるためだけのものではありません。
肌の弾力や真皮の構造を支え、姿勢や体力を保つための、全身にとって心強い習慣です。
化粧品だけに頼るのではなく、自分の身体を動かし、必要な栄養を摂り、内側からも整えていく――。
美肌づくりの新しい習慣として、ぜひ筋力トレーニングを始めてみませんか?✨
📚参考文献・公的資料
- Resistance training rejuvenates aging skin(Scientific Reports, 2023)
- Sunscreen and prevention of skin aging:無作為化比較試験
- コラーゲンペプチドと皮膚弾力性に関する無作為化比較試験
- 米国皮膚科学会:肝斑のセルフケア
- 日本皮膚科学会など5学会共同「美容医療診療指針」
※筋力トレーニングは、シミや肝斑そのものを治療するものではありません。一方で、肌の弾力や真皮の構造を支える全身習慣の一つとして期待されています。シミや肝斑が気になる場合は、自己判断せず、皮膚科などの医療機関にご相談ください。

